2023年6月21日、ジュネーブおよびボン– - 国際運輸労連(ITF)は、ILO総会(ILC)で 公正な移行に関する決議が採択されたことを歓迎している。
政労使合意したこの新たな決議は、11月にアラブ首長国連邦(UAE)で開催されるCOP28において、国連気候変動交渉に参加する各国政府に対し、公正な移行・活動計画を前進させることを約束させる意味で、更に大きな圧力となる。
しかし、ILO総会と同時期にボンで開催された国連気候変動交渉では、「公正な移行」活動プログラムの実施について決意を引き出す面では大きな進展は見られなかった。ボンでは各国政府は、COP28で合意に達することができるよう、労働者や労働組合との交渉を継続しなければならないことを通告された。
2023年6月16日に採択されたILC決議は、公正な移行に関する行動の緊急の必要性を強調し、以下の10の重要な要素を含んでいる:
- 政労使を代表する国連機関としての国際労働機関(ILO)が、国連気候変動協議において公正な移行を推進する上で指導的役割を果たすこと。
- 効果的な社会対話、労働における基本的原則と権利の尊重、国際労働基準に従う公正な移行。
- すべての国、すべての部門、そして公式・非公式経済のための公正な移行。
- 公正な移行を促進する産業政策および/または分野別政策、ならびに持続可能なインフラと質の高い公共サービスへの投資。
- 公正な移行とディーセントワークに貢献する、包摂的で持続可能な貿易と投資の枠組み、バリューチェーン、サプライチェーン。
- 完全かつ生産的で、自由に選択できる雇用とディーセントワークを中核目標とし、包括的な社会保護制度を導入すること。
- 青年、女性、社会的弱者に十分配慮した、強力なジェンダーの側面と、すべての労働者を保護するための措置。
- 先住民および部族民を含む、気候変動の影響を受ける地域社会と協議し、先住民および部族民との対話のための ILOメカニズムを確立し、知識を得て、公正な移行のためのロードマップを策定する。
- 気候関連のリスクや異常気象の影響を受けるすべての労働者のために、職業安全衛生対策を緊急に実施する。
- 公共および民間の資金の流れと公共調達を、公正な移行目標に整合させる。
ILOの「公正な移行のための2015年ガイドライン」が、政策立案者のための中心的な参考資料として承認された。ILOはまた、公正な移行の実施を加速するよう求めた。
ITFのスティーブ・コットン書記長は、「ILOにおいて、各国政府、使用者、労働者は、公正な移行の実施に関する重要な指標を示した」と述べた。「気候変動の危険から労働者とその地域社会を守る緊急性は、ILCによって認識されており、有意義な気候変動対策を推進するために、労働者の声が力強く反映されることの重要性も認識されている」
これは、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)について交渉している各国政府が従うべきモデルである。
「労働力の公正な移行を実現するためには、公正な移行・活動計画の策定が必要だ。COP28では、活動計画の実施に向けた具体的な詳細について話し合うべきであり、公正な移行とは何かを議論したり、これまでの議論を逆行させたりするべきではない。特に、活動計画がすべての国のすべてのセクターの労働力の公正な移行を包括し、それを公正な移行に関するILOの枠組みと関連させることに合意する必要がある。労働者やその他の主要な利害関係者との協議が組み込まれなければならない」とコットン書記長は述べた。
交通運輸労組は、UAEで開催されるCOP28に先立ち、持続可能な交通運輸への投資、公正な移行、排出削減に関する要求を政府や使用者に行う予定だ。