ギニワ湾の海賊行為に関する国際団体交渉協議会(IBF)軍事行動区域委員会の声明文
ギニア湾における海賊行為は数十年前から発生しているが、犯罪の手口がより洗練され、凶悪化したのはここ数年のことである。海賊の攻撃や誘拐事件の多発は国際海運界にとって深刻な問題である。国際商業会議所(ICC)国際海事局(IMB)の最近の報告によると、2020年1月以降、77人の船員が誘拐されたか、身代金目当ての人質にとられた。また、西アフリカ・ギニア湾は商船にとってますます危険な区域となっており、海上での誘拐事件の9割を占めている。
2020年8月11日、海運使用者を代表する合同交渉団(JNG)と船員組合を代表するITFは、国際団体交渉協議会(IBF)軍事行動区域委員会(WOAC)のバーチャル会議を開催し、船舶や船員に対する暴力的な攻撃が2020年に増加している問題について協議した。攻撃および攻撃の試みの大半は、ナイジェリア沿岸から12マイルをはるかに超えた20〜200マイルで発生している。
船員の安全および保安は最優先課題であり、JNGとITFは責任ある海運労使として、潜在的なハイリスクエリア(HRA)を定期的に監視し、議論している。IBF WOACでは、ギニア湾の問題が懸念すべき深刻な問題であり、現行のエリア指定の変更について議論するために、2020年1月以降に攻撃および攻撃の試みが発生した場所に関する情報を収集する必要があることが確認された。
2019年10月にナイジェリアで開催された世界海上安全保障会議では、ナイジェリア大統領が、海上輸送の安全と保護はシームレスな貿易の発展と効果的な経済統合にとって不可欠であると主張した。また、海軍と沿岸警備隊を強化するための予算および資源を増やすことを西アフリカ諸国に要請する宣言が採択された。
JNGとITFは、この宣言を強く支持し、沿岸国が深刻な現況を是正するために協力を強化することを要請する。現在の状況が続けば、海運業界だけでなく沿岸国にとっても害となる。
IBF WOACにおいて、ITFは、新型コロナウイルス感染拡大防止のために各国政府が導入している画一的な規制のために世界規模で発生している船員交代の問題に伴うリスクへの対応も求めた。具体的には、船員の下船が拒否される港をHRAに指定すべきことを主張した。11か月を上回る労働で心身ともに疲れ果てた船員は、船員自身の生命にとっても、環境にとってもハイリスクであると考えられるからだ。
IBF WOACは、円滑な船員交代の欠如はリスクであることを確認し、ITFの要請とその影響について検討することで合意した。IBF WOACのITF代表委員は、ITF、ITF加盟組合、インスペクターが、契約を満了させ、帰国を望む船員を引き続き支援する立場を明確にした。