7日、韓国でトラック運転手が無制限ストを開始した。ITF加盟韓国公共サービス交通運輸労組貨物トラック連帯部門 (KPTU-トラックソル)は、7日に全国16カ所で実施した集会に組合員1万5千人が参加し、非組合員を含むさらに数千人の運転手がストに参加した見込んでいる。ストの影響は既に港湾や石油化学コンビナートなどの物流拠点で現れており、貨物の流れが減速したり、停止したりしている。
韓国の自営トラック運転手42万人の大半は、ここ数か月間の燃料価格の高騰と生活費の上昇で、収入が減少している。一方、「セーフレート」が適用される約6.5%の運転手(コンテナトレーラーやセメント車の運転手)は、運送コストに基づいて計算される最低運賃による影響緩和で、危険な長時間運転やスピード違反、過積載をせずに生計を立てることができている。
しかし、「セーフレート」制度は今年末までに段階的に廃止されことになっている。保守派の尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は、制度延長の法案審議を遅らせる一方、スト参加者の取り締まりを表明している。
KPTU-トラックソルは「セーフレート」制度の恒久化と適用範囲の全車種・全貨物への拡大を要求している。また、道路運送の経済的使用者や制度適用外の部門の輸送業者に対して、「生活費危機」を考慮した運賃引き上げに同意するよう求めている。
ITFのスティーブン・コットン書記長は次の通りコメントした。 「制度の適用を受けるトラック運転手の経験から、制度の恒久化と、すべての車種・貨物への適用拡大が運転手と道路利用者を守る最善の方法であることが分かった」
「韓国の労働大臣が昨日、争議の公正な解決に取り組むことなく、よりによってILO総会に出かけたことは実に残念だ」ITFはストが続く限りKPTU-トラックソルを支援する。韓国政府がスト参加者を逮捕したり、報復的・差別的な措置を取ったりする場合は、傍観しているわけにはいかない」
ITFが最近実施した、韓国の「セーフレート」を支持する国際行動週間には、世界中の30以上のITF加盟組織が参加し、韓国の仲間たちに連帯を表明した。
ITFのノエル・コード内陸運輸部長は次のように述べた。 「世界中のITF加盟組合がKPTU-トラックソルを断固支持している。「セーフレート」が韓国のみならず、世界中の運輸労働者にとって、いかに重要であるかを知っているからだ。韓国の「セーフレート」を求める闘いは、あらゆる道路の安全とディーセント・ワークを求める闘いにほかならない」