ITFの活動家らはダブリンのスティーブンス・グリーンにある司法省に非定型就労許可制度の見直しに関する意見書を提出した。
現役および元外国人漁船員と共に要請書を手渡したITFのマイケル・オブライアン水産キャンペーン主任は次のように語った。
「この見直しによって、非定型就労許可制度は葬り去られるべきだ」 ITFの意見書は、制度開始から6年が経過したが、不法就労の外国人漁船員の正規登録および長時間労働・低賃金の虐待阻止の両面において失敗だったことを事実に基づきながら厳しく批判している。
また、アイルランド船で働く外国人漁船員の権利と労働条件を守るためにどのような改正が求められるのかや、同制度が他の制度と比較して不利な点を廃止すべきことを明記している。
「この制度は、アイルランドで操業するアイルランド船隊に乗り組む外国人漁船員の正規登録を目的に2016年に導入された。 導入から6年が経過した現在の状況は次の通りである。
- 対象船舶174隻に230件の許可
- ある時点で非典型就労許可制度に登録していたものの、現在は登録していない現役および元漁船員が最大200人存在する。
- 一度も登録されたことがない外国人漁船員が不特定数存在する。(数百人に上る可能性がある。)
正規登録する権利を漁船員に与えるのではなく、船主に外国人漁船員を登録させるこの制度は、発足当初から致命的な欠陥があった」
「制度の第二の目的は、水産業における労働者の権利や人権の侵害を撲滅することだった。ITFの意見書が指摘するように、この制度は、政府が提供するデータや国会の答弁に依存している。全く役に立たない。たとえば、現在登録されている漁船員の船主の21%(アイルランド船隊の4割に相当)は、搾取をめぐる不利な判決を受けたことがあったり、人身取引をめぐるアイルランド警察の捜査対象となっていたり、「職場関係委員会」の聴聞を受けたり、賃金未払いの捜査対象となっていたりする者たちである」
求められる解決策 #GiveFishersABreak
オブライアンは意見書が勧告する主な改革について次のように説明した。
「意見書には、水産業の賃金・労働条件や安全性の大幅な向上と、現政権および前政権下で侵害されてきた外国人漁船員の人権の保護が期待される幅広い勧告が提示されている」
「特に、今回の見直しに関して、二つの重要な要求がなされている。まずは、非定型就労許可制度を廃止し、企業貿易雇用省の「重要技術者就労許可制度」が適用されるEEA域外労働者と同等の権利を外国人漁船員にも与えることだ」
「ITFは労働組合組織として、いかなる差別的な制度も認めるつもりはない。重要技術者就労許可制度の賃金体系やビザに関する権利の方が明らかに有利だ。このような改正は、ITFが連絡をとっている外国人漁船員たちに歓迎されるだろう」
「第二に、不法就労の漁船員・元漁船員と、かつて不法就労だった漁船員・元漁船員をめぐる混乱を解決すべきだ」ITFは、司法省の新登録制度がもっとインクルーシブなものとなるように要請している。合法、不法を問わず、全ての漁船員がスタンプ4のビザを取得できるようにし、漁船員を船主に縛りつける非典型就労許可制度から彼らを解放すべきだと主張している」
「ITFは本日、ソーシャルメディアで#GiveFishersABreakを広め、賛同を呼びかける」