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新型コロナウィルス感染症で必要となる経済と職場の支援策

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ITFと国際産別組織(GUFs)は、各国の政府と企業に対し、労働者や世界経済、世界経済が依存する社会を守るために早急に行動するよう求めている。グローバルユニオン評議会(CGU)は本日、緊急の景気刺激策を策定することと、労働者の健康と職場における労働者の権利を守るために協力して政労使の対話をもつことを求める声明文を採択した。

国際労働組合総連合(ITUC)のシャロン・バロー書記長は次のように述べた。「政府は、労働者やその家族の健康と収入を保護し、実体経済を安定させるため、緊急の景気刺激計画と職場対策を導入するために早急に行動すべきだ」

「新型コロナウィルスにより医療システムに大きな負担がかかり、公衆衛生は巨大な課題に直面している。医療従事者はこの危機的状況の中、経済的、社会的、健康的な影響の最前線に立たされており、あらゆる産業の労働者がリスクにさらされている一方で、切迫した医療現場で過酷な労働を続けている医療従事者の勇気を讃えたい」

「緊急の景気刺激策には、有給の病気休暇、住宅、電気、食糧などの基本的物資の費用を賄う収入の維持策、雇用形態に関係なく全ての労働者に社会的保護を拡大することを含ませるべきだ。それこそが雇用と経済を維持し、賃金と労働者の福祉を守り、中小企業(SME)を保護する唯一の方法だ。2008~2009年のリーマンショックの教訓に基づき、労働者の家族が必要とし、企業が利益を得ることができる収入支援を決定するべきで、銀行や金融機関の救済に集中するべきではない。政府は多国間機関と協力し、対話をもち、新型コロナウィルスの脅威への対処能力が低い国の危機的状況を監視し、対応能力をもてるよう、重要な支援を確保する必要がある」

国際運輸労連(ITF)の書記長で、現在、グローバルユニオン評議会(CGU)の議長を務めるスティーブ・コットンは次のように述べた。「このパンデミック(世界的な大流行)がビジネスにとって難しい環境であることは理解するが、企業は責任感と決意をもって行動し、自社のサプライチェーンで働く労働者に保護措置を提供するべきだ。これは新型コロナウィルスによる感染から労働者を守るための企業の注意義務に始まり、雇用形態に関係なく全ての従業員の賃金を保護し、病気休暇を保障し、危機的状況の中での柔軟な働き方を支援することなどが含まれる。新型コロナウィルスがもたらした課題に協力して対応する中で、労働者の権利と福祉を優先させることを使用者に求める」

グローバルユニオン評議会(CGU)共同声明

新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)と新型コロナウィルス感染症(Covid-19)の急速かつ広範な蔓延を受け、人々の健康を守り、経済を支えるための緊急の世界的対応が求められている。各国政府と企業は、労働者を保護し、職場での感染を防止するために行動しなければならない。

国際通貨基金(IMF)は、新型コロナウィルス感染症が2008年のリーマンショックに匹敵する経済危機を引き起こす可能性があると警告している。各国政府が共同で行動し、多国間機関を通じて、経済を支え、雇用を守る必要があることは明らかだ。世界経済は今、実体経済や労働者、中小企業に浸透し、雇用、家計、地域社会を優先する景気刺激を必要としている。パートタイム労働者、移民労働者、非居住労働者、雇用の不安定な「ギグ」労働者やインフォーマル労働者を含む全ての労働者の所得支援が不可欠だ。

労働者は新型コロナウィルス感染症(Covid-19)の経済面、社会面、健康面での影響の最前線に立たされている。労働者を保護できなければ、感染はさらに拡大することになるだろう。有給の病気休暇を与えられていない労働者にも直ちに特別な措置を拡大し、有給休暇が規定されている労働者については既存の規定を改善し、労働条件や働き方がきちんと保護されるよう担保するべきだ。

雇用をプラットフォーム事業に依存している労働者も、社会的保護を得ることができ、プラットフォーム事業主自身が積み立てる基金から補償金を支払われるべきだ。

世界は今まさに巨大な危機に直面しようとしている。インフラと衛生設備が不十分な最貧国に感染が広がることにより、数億人の人々が壊滅的な影響を被るリスクがある。さらに、新型コロナウィルス感染症が医療システムに大きな負担をもたらすことで、新たな公衆衛生上の課題が生まれる可能性がある。

あらゆる産業の労働者がリスクにさらされているが、医療および介護労働者は治療の現場で切迫した状況に対応している。多くの国で、医療への政府の投資が不十分であるか、国民向けの医療が全く整備されていない。最良の医療制度がある国であったとしても、新型コロナウィルス感染症の影響は甚大なものになる可能性がある。グローバルな対応では、このことを念頭に置く必要がある。

ウイルスの影響がさらに拡大するにつれ、職場で労働者の健康と権利を守るため、政労使が対話することと、団体交渉が極めて重要になる。

各国政府は、今日の危機に取り組み、将来の感染危機に備えるため、この課題対応のために立ち上がらなければならない。労働者とその職場はまさにこの中心的存在だ。

世界の2億人の労働者を代表するグローバルユニオン評議会(CGU)は、各国政府に以下を求める:

•有給の病気休暇と収入保護、社会的保護を、正規労働者、「ギグ」労働者、不安定労働者、インフォーマル労働者を含む全ての労働者に、雇用形態に関係なく、直ちに拡大する。

•雇用と経済を維持し、労働者の賃金と福利厚生を守り、中小企業(SME)を保護することを目的とする政府による景気刺激策を発動する。

•多国間機関と協力・対話し、新型コロナウィルス感染症(Covid-19)によってもたらされる脅威への対応能力が低い国への援助を増やし、多国間金融機関が各国のニーズを評価し、適切に対応することを担保する。

CGUはまた、使用者に以下を求める:

•労働組合を認識して組合と交渉し、労働者の健康、権利、福祉に対する脅威を把握し、職場での対応を発展させ、実施する

•自社のビジネスとサプライチェーンに関係する全ての労働者に注意義務を負っていることを認識し、その義務を行使し、サプライヤーとの契約を維持し、新型コロナウィルス感染症(Covid-19)によってもたらされる脅威への対応において、労働者の権利と福祉を優先させる。

•Covid-19の脅威や雇用主と政府の対応の評価を決定し、感染を防止・軽減し、説明を行うプロセスに労働者の代表者を参加させる。

•労働者の健康を保護することを確保し、例外なくそのための計画が設置・実施されるよう担保する。

•団体交渉など労使双方が合意した様々な手段を通じ、全ての労働者の賃金を守り、賃金が全額支払われることを保証する。

•Covid-19に感染した、または感染のリスクがある労働者に対し、有給休暇や有給の病気休暇の形での休暇を初日から保障する。

•Covid-19やその対応の悪影響を受ける非標準的な雇用形態や業務契約者を含む、全ての労働者を対象とした補償基金を設立する

•全ての労働者に、個々の状況に合わせた、責任ある職場と働き方を提供する。

全ての労働者は、必要に応じて、特に医療サービスを提供している場合は、無料で検査、治療、訓練、訓練用の設備と施設を提供されるべきだ。多くが極めて弱い立場にある移民労働者の状況には特に注意を払う必要がある。労働者のプライバシーと個人情報は、Covid-19の対応策の一環として、検査や健康診断を受ける際に保護されなければならない。労働者は、万一、特定の地域または国の財政面および人流面の封じ込め措置によりそれが阻まれる場合、可能な限り速やかに通常の勤務地に戻ることができなくてはならない。

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