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新型コロナウィルスについて

ニュース

 ITFは、国内および国際的な主要輸送ハブである武漢市で発生した新型コロナウイルスに関して、世界保健機関(WHO)のアドバイスを注視しています。

  また、交通運輸労働者への感染を防ぐために、各国政府・企業に対して、あらゆる対策を講じるよう要請しています。特にこの致死性ウィルス感染の最前線で働く航空労働者、クルーズ船乗組員、港湾労働者、船員にとって、感染防止対策は非常に重要です。

 WHOは加盟国に対し、今後新たな症例の発生に備え、積極的な監視、症例の早期発見、患者の隔離や症例管理、接触者の追跡などの感染拡大防止対策の実施を助言しています。

 各国政府は、空港や港湾におけるバイオセキュリティの強化(感染リスクが高い地域からの旅客、クルー(乗務員)、船員の感染を把握する措置や労働者がウィルスに接触する機会を最小限に止める措置、ウィルスを封じ込める措置等)を直ちに実施すべきです。

  航空会社、空港運営事業者、クルーズ船運航会社、船社、港湾事業者は、労働者に対する最新情報の提供、安全衛生上の最善慣行の実施、個人用防護具の提供を行うとともに、症状のある旅客、クルー、労働者を把握する措置や感染の疑いのある旅客対応についての明確なガイドラインの制定などを実施することが求められます。

  また、乗組員・乗務員が国内法規に基づいて適切な休息を確保できるよう、適切な人員配置がなされなければなりません。

  航空および海運部門の労働者・事業者に対する詳しいアドバイスを以下に記載します。これらのアドバイスは全ての交通運輸部門の労働者・事業者に適用可能なものです。

 

航空会社および航空労働者へのアドバイス

 航空会社は、次の通り、労働者の感染予防策を制限すべきではありません。

  • 航空会社のクルー(乗務員)およびグランドスタッフ(地上職員)が防護具(ゴム手袋やフェイスマスクなど)の着用を希望した場合は、許可すること
  • 航空会社のクルーおよびグランドスタッフが感染から身を守るために必要な予防策を講じる時間と適切な休憩時間を確保すること
  • 航空労働者が感染した場合は自宅待機を優先させ、適切な賃金の支払いを継続すること

 

 乗務員へのアドバイス

  • 特に咳やくしゃみをするときに接触・飛沫感染予防策を講じるよう、機内の全ての人に奨励する。
  • 乗客または他の乗務員と接触した場合は、手の消毒や手洗いを行う。
  • 新型コロナウイルスの患者発生が確認されている国でレイオーバーする場合は、可能な限りホテル内に留まり、接触・飛沫感染予防策を講じるとともに、安全な食べ物を選んで摂取する。(以下も参照して下さい。)

 搭乗中の旅客または乗務員に症状が見られる場合は、国際航空運送協会(IATA)の客室乗務員向けガイドラインに従ってください。

  • 具合の悪い乗客に過去21日間の渡航歴を尋ねる。
  • 地上の医療支援あるいは機内の医療サポートを求め、医療関係者の助言に従う。
  • 可能な場合は、具合の悪い乗客を隔離し、付近の乗客を移動させる。座席が足りない場合は、付近の乗客にマスクを配布することを検討する。
  • 具合の悪い乗客を世話する客室乗務員1名を決める。
  • 具合の悪い乗客専用のトイレを指定する。
  • 具合の悪い乗客あるいはその乗客担当の客室乗務員にフェイスマスクの使用と必要に応じた交換を求める。
  • 具合の悪い乗客に手指衛生の実践を奨励する。
  • 具合の悪い乗客にティッシュを渡し、話したり、咳やくしゃみをしたりするときは口と鼻を覆うようにアドバイスする。
  • 具合の悪い乗客に手指衛生の実践を助言する。
  • 具合の悪い乗客にティッシュを安全に廃棄してもらうために、エチケット袋を渡す。
  • 乗務員は、適切な防護具を着用しない限り、具合の悪い乗客から1メートル以上離れる。
  • 乗務員が具合の悪い乗客に接触する必要が生じた場合は、適切な防護具を着用する。
  • 汚れ物(ティッシュ、マスク、毛布など)はバイオハザード・バッグ(医療用ごみ袋)に入れる。バイオハザード・バッグがない場合は、プラスチックバッグに入れて密封し、「バイオハザード」とラベルを付ける。
  • 具合の悪い乗客の同行客に、同様の症状がないかを尋ねる。
  • 感染が疑われる事例を航空管制や現地保健機関に報告するよう機長にアドバイスする
  • 保健当局から特段の指示がない限り、具合の悪い乗客と前後2列以内の座席の乗客にパッセンジャー・ロケーター・フォームの記入を依頼する。

 

海運業界、船員、港湾労働者へのアドバイス

 航空労働者へのアドバイスのほとんどが、クルーズ船の労働者や海運産業および交通運輸産業全般に当てはまります。

 

国際海員健康協会(IMHAの以下のアドバイスは、海運業界、船員、港湾労働者に特化したものです。

  • 患者が発生していない地域の港湾では、船員の上下船を制限しないこと。
  • 港湾管理者、港湾牧師、事業者等による必要な訪船を制限しないこと。
  • 中国の食品市場を訪問しないこと。また、中国の魚や鶏肉の供給は避けること
  • 生卵、牛乳、肉を消費しないこと。
  • 二次感染を避けるために、食品衛生手順を厳守すること。
  • 全ての乗組員にフェイスマスクを供給すること(1人あたり5枚)。
  • 中国に向かう検査官や乗組員にインフルエンザ予防接種、アルコール除菌液、フェイスマスクを供給すること。
  • 上船の212日前に感染地域に渡航したことがある乗組員が乗船中に体調不良になった場合は、客室外に出てはならない。
  • 乗組員が乗船中に体調不良になった場合は、明告書を記入し、関連港湾当局に通知し、次の寄港地で保健機関に相談すること。

 

新型コロナウイルスから身を守る方法

  現時点で、新型コロナウイルスのワクチンはありません。感染から身を守る最善の方法は、ウィルスへの接触を避けることです。

  感染予防のための毎日の習慣として、国連は次のようにアドバイスしています。

  • お湯と石けんで頻繁に20秒以上手を洗う(水が利用できない場合はアルコール除菌液でも可)。
  • 咳やくしゃみをする際は肘の内側かティッシュで口鼻を覆う。
  • 洗っていない手で目,鼻,口を触らない。
  • 症状のある人との至近距離での接触を避ける。
  • 症状があるときは外出しない。
  • 熱、咳、呼吸困難様症状を呈した場合には早めに医療機関を受診し、渡航歴を保健機関に報告する。
  • 患者発生地域の生鮮市場に行く場合は、生きている動物や動物と接触する表面との直接かつ無防備な接触を避ける。
  • 生鮮の、または加熱が不十分な食肉製品の摂取を避ける。また、二次感染を防ぐために、生肉、牛乳、卵を扱う際は注意する。

 

 ITFは適宜、ウェブサイトで最新情報を提供します。WHOのアドバイスも参考にしてください。

 

 

 

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