国際運輸労連(ITF)は、今日のパレスチナ人民連帯国際デーにあたり、パレスチナ人民の平和と正義、人権と尊厳、民族自決の擁護に向けた揺るぎない決意を改めて表明している。
早急な行動の呼びかけ
ITFは改めて以下を早急に要請する
- 国際人道法を全面的に尊重し、即時かつ恒久的に停戦すること 。
- 人道回廊の設置と継続を含む、妨害なき人道的アクセスの確保。
- すべての人質と、正当な司法手続きなしに拘束されている人民を即時かつ無条件で解放すること。
- 紛争に巻き込まれた 交通運輸労働者やその他の民間人を安全かつ迅速に帰還させること。
今も進行中のパレスチナ危機について、ITFのパディ・クラムリン会長は次のように述べている:「パレスチナで現在も続く残虐行為が、国際法を遵守しない政府に対する非難から発していることは明白だ。
「一般市民が組織的に標的にされ、家屋や学校、病院が破壊され、何百万人もの市民が避難している今の事態は、軍事行動によりやむを得ず発生する付随的損害ではない。ITF世界大会において、武器の販売を停止し、国際犯罪を防止すべく加害者に責任を負わせるよう、各国政府に圧力をかけるなど、パレスチナの人々の支援を高めていく任務がITFに課せられた。
ITFはまた、2024年1月に国際司法裁判所(ICJ)が出した拘束力ある暫定措置を受けて、ジェノサイド条約のすべての締約国に対し、ジェノサイド(集団殺害罪)を防止する共通の義務を果たすよう改めて要請する。
戦争による人的被害
紛争が恐ろしい数の犠牲者を出している。国際連合人権高等弁務官事務所は、ガザの死者の 70%近くが 女性や子どもだと報告している。2023年10月7日以来、少なくとも43,972人のパレスチナ人が死亡し、104,008人以上が負傷し、190万人が避難を余儀なくされているが、これはガザの人口の85%にあたる。
「この数から、大規模な非人道行為が起きていることが示されている」とクラムリン会長は述べる。「しかし、これは単なる統計の話ではない。安全に、尊厳をもって、平和に生きる権利のある子どもや男女の命が奪われているのだ」
ITFのスティーブ・コットン書記長は次のように述べた。「パレスチナの人々が感じている計り知れない苦しみは、世界の指導者たちの集団的良心に傷跡を残している。何千人もの命が失われ、無数の子どもや男女が想像を絶するトラウマに耐えることを余儀なくされている。ITFは加盟組合と団結し、即時停戦と人道的救済、恒久平和への道を要求する」
ITF加盟組合から受けたより強い指令
2024年10月、マラケシュで開催された第46回ITF大会で、加盟組合は、深刻化するパレスチナ危機に対処するための世界的な行動をITFに命じる 歴史的な決議を採択した。この決議は以下を呼びかけている。
- 武器販売の廃止国際人道法の侵害を助長する武器、弾薬、その他の軍事装備品の販売、譲渡、転用を停止するよう、各国政府に働きかける。
- 国際的な法的機関への支援:各国政府に対し、説明責任と正義を確保するため、国際法秩序と国際司法裁判所(ICJ)などの国際的な法的機関に対する信頼を強化するよう求める。
- 人道復興活動各国政府に対し、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)とガザにおける復興活動への資金を増額し、ディーセントワーク、復興、生活再建に焦点を当てるよう促す。
ICCが逮捕状発行
重要な進展として、2024年11月21日、国際刑事裁判所(ICC)はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相、ヨアフ・ギャラント前国防相、ハマスのモハンメド・ディアブ・イブラヒム・アルマスリ軍事指導者に対して逮捕状を発行した。容疑は戦争犯罪と人道に対する罪である。
ITFはこれを正義のための重要な一歩として歓迎した。
ITFのパディ・クラムリン会長は、次のように語った。「ICCのこの決定は、説明責任と法の支配を求める闘いの重要な一歩である。ICCの行動は、法の上に立つ者はいないこと、そして残虐行為の責任者は裁きを受けなければならないことを思い起こさせる。国際刑事裁判所ローマ規程締約国は今、その義務を守らなければならない」
ILO提訴の進捗状況
ITFは、イスラエルで雇用されている20万人以上のパレスチナ人労働者に対する賃金・手当の未払い等のさまざまな虐待を是正・救済するイスラエル当局の義務 に関するグローバル・ユニオンのILO提訴に進展があったことを歓迎している。
本件は受理可能とみなされ、労働者の賃金の制度的搾取を調査するための臨時の三者構成組織が設置されることとなった。これはパレスチナ人労働者の正義実現に向けた重要な一歩である。
世界の交通運輸労働者の連帯
世界中の交通運輸労働者がパレスチナ人コミュニティを支援するために立ち上がり、募金活動や抗議活動、啓蒙活動を実施している。武器輸送に抗議する港湾労働者の行動や停戦を求める組合の行動は、連帯と正義に対する交通運輸労働者のコミットメントを示している。
ITFパレスチナ連帯基金は今もなお、紛争の影響を受ける組合や労働者の支援のための資金源となっている。寄付金は、緊急人道支援、復興支援、民主主義と人権のための長期的プロジェクトのために使われている。このような重要な活動を強化するために、ITF加盟組合は引き続き寛大な寄付を続けてほしい。
ITFはパレスチナの人々、そしてこの壊滅的な紛争の影響を受けているすべての民間人に対するコミットメントを堅持している。
コットン書記長は次のように続けた。「平和は遠い希望ではなく、緊急に必要なものだ。国際法を守り、人類を守り、パレスチナにおける残虐行為を終わらせるために、世界は今すぐ行動を起こさなければならない。我々が行動を起こさなければ、正義と良識のあらゆる原則を裏切ることになる」
クラムリン会長は次のように締めくくった。「世界の交通運輸労働者が連帯の姿勢を崩すことはない。各国政府は義務を果たさないかもしれないが、我々はパレスチナの人々の正義と尊厳、そして平和のために闘い続ける」
ITFパレスチナ連帯基金やITFのキャンペーンに関する詳細はITFウェブサイトへ。