Skip to main content

中国沖で立往生している船員を救うために船社の行動が求められる

ニュース 03 Mar 2021

 「費用はかかるが、やらなければならないことだ」船員のための国際労働組合組織、ITFは、中国政府によるオーストラリアからの輸入制限により、中国沖で立ち往生している乗組員の本国送還に必要な数百万ドルを船社が負担するよう求めている。

 MSC社はアナスタシア号の乗組員を救うために必要な経費を負担し、日本の港を経由して、6カ月に及ぶ乗組員の「海に浮かぶ刑務所」生活を終わらせた」とITFのパディ・クラムリン会長は語った。

 「責任ある船主はMSCに倣い、長らく延期している船員交代を実施すべきだ。費用はかかるが、乗組員の健康、生命、人権を守るためには絶対に必要なことだ」

 「長期乗船を強いられた船員の中には、苦しみに耐えられず、自殺を図った者もいる。彼らの健康状態は悪化している。医薬品が不足している船もある」

 「中国当局が、船員が医療措置を受けること(緊急入院を含む)を阻止した事例があると聞き、非常に懸念している」とクラムリン会長は続けた。

 石炭等のオーストラリアからの輸入貨物を降ろすことができず、船員交代を実施できないでいる船舶は推定60隻以上に上る。乗船期間が1年を超える船員が増えており、中には1年8カ月を超えている者もいる。そのうち3~6カ月もの間が中国沖での待機に費やされている。

 長期的な解決策として、中国は外国人船員のための船員交代プロトコルを導入する必要があるとクラムリン会長は主張する。中国が定期的な船員交代を実現させるまでは、船社が近隣諸国に航路離脱するなどして、雇用した船員の生命と健康を守る人道的義務がある。

 「中国はオーストラリアとの紛争を棚上げし、自国の沿岸から僅か数キロのところで発生しているこの人道危機に対応すべきだ。オーストラリアもまた、乗組員の健康よりも政治を優先させてきた。各国政府が対応を怠っている場合は、業界がリーダーシップを発揮し、困窮した乗組員を下船させなければならない。それが可能であることをMSCは証明した」とクラムリン会長は訴えた。

 

 

現場の声

ニュース 01 Jul 2024

LGBT+の労働者は組合に誇りを持っている

 「一人に対する攻撃は全員に対する攻撃だ」 この原則は交通運輸産業の労働者を含む世界中の労働者の運動を何世代にもわたって鼓舞してきた。レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、その他クィアの労働者は、労働組合運動において常に重要な役割を果たしてきたが、近年になってようやく、彼らの貢献と彼らが職場で直面している問題が認識されるようになった。  ITF はまず
ニュース 28 Jun 2024

チリの労働運動に大きな打撃

 国際運輸労連 (ITF) はチリの全国鉄道旅客貨物輸送労連 (FNTF) のホセ・ ボニン委員長の死去にショックを受け、悲しみに暮れている。  ボニンは 6 月 20 日未明、列車二台の正面衝突事故の犠牲となった。銅 1,346 トンを積載した貨物列車を運転していた。  初期の報道によると、チリ国鉄 (EFE) の試運転列車と私鉄フェパサの貨物列車が衝突した。  ITF のスティーブ
ニュース 記者発表資料 10 Jun 2024

不透明な船籍ビジネスの代償を払わされる船員

紅海で発生した事件は、「便宜置籍船」の増殖を許すことの危険性を示している。 ITF マリタイム・コーディネーターの ジャクリーン・スミス – アルジャジーラ による報道。 4 月 13 日、イラン・イスラム革命防衛隊の海軍部隊が、ホルムズ海峡でポルトガル船籍のコンテナ船、 MSC アリエス号を拿捕し、乗組員を拘束した。本船はスイスに本社を置くメディタレニアン海運会社が、イスラエルの大富豪エアフ