ITFとフィジー労働組合会議(FTUC)の合同プレスリリース
フィジーのバイニマラマ政権が国民年金基金を恣意的に運用し、政府肝いりのプロジェクトにリスクの高い融資を行い、何十万人もの労働者の老後を危険にさらしているという衝撃の報告書が発表された。
この報告書は、フィジー航空の株式30%の購入が賢明な運用と言えるかどうかについて政治家や活動家の疑念が高まっている最中に発表された。
報告書「フィジー国民年金基金は労働者のためのもの」は、バイニマラマ政権が十数年にわたりフィジー国民年金基金(FNPF)の運用に政治的に介入し、基金の安定性を脅かしてきたことを暴露している。
状況は政府の新型コロナ対策によってさらに悪化した。負担金が削減されたほか、労働者はコロナ禍の苦境を乗り切るために、年金貯蓄の切り崩しを余儀なくされている。年金基金としての存続性や年金受給者が年金だけで生活を維持できるかどうかが疑問視されるようになり、「あなたの未来を守る」という基金のモットーにも矛盾が生じている。
資産82億ドル、加入者45万人のFNPFは国内最大かつ最も重要な金融機関だ。
労働者はFNPFへの加入を義務付けられており、55歳になると、住宅、医療、教育支援とともに退職年金を受け取ることができる。
しかし、バイニマラマ政権はFNPFに数十億ドルの債務を生じさせ、それらを返済したり、積立金を補填したりする計画もない。労働者の将来は危機に直面している。
ITFシドニー事務所のスコット・マクダイン代表は次のように語った。 「FNPFはフィジーの開発問題を解決するための財源でも、バイニマラマ政権肝いりのプロジェクトにリスクの高い融資を行うためのものでもない」
「フィジー統計局によると、2019年~2020年には国民の10人に3人が貧困状態にあったが、コロナ禍でこの数字は倍になったと見込まれている。
FNPFはこのような人々を保護するために設置された。バイニマラマ政権は彼らを失望させたばかりか、彼らの未来で火遊びをしている」
「FNPFの加入者、受給者、納税者は、バイニマラマ政権の利益のためではなく、自分たちの利益のために運用される基金を持つ資格がある。
基金の破綻は、労働者のみならず、国全体に壊滅的な影響を及ぼす可能性がある。
報告書は以下を含む提言を行っている。
- FNPFの管理体制を緊急に見直し、改革すること。
- 基金の出資者であり、主要な利害関係者である労働者の代表をFNPF理事会に入れること。
- 基金の運用・管理を理事会の機能から切り離すこと。
- 受託者責任が実際に何を意味するのかを明規するFNPF管理法を制定すること。
- 組合員との協議に基づき加入者の利益を定義、見直す方法を規定する規則を設けること。
問合せ
ITFシドニー事務所
スコット・マクダイン
フィジー労働組合会議書記長
フェリックス・アンソニー
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