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<コロナ危機> ITFとICSが国連機関に海運産業の支援策を要請

ニュース

 ITFと国際海運会議所 (ICS) は国連機関に公開書簡 を送り、船員が果たしている重要な役割に対する認識強化を求めた。

 この公開書簡は、国籍にかかわらず全ての船員を「キーワーカー(不可欠なサービスを提供する公共部門の従業員)」とみなし、船員が世界貿易において果たしている重要な役割を加盟国政府が認識することを要請している。

 また、以下の要請も行っている。

  • 本件を当該ハイレベル会議の議題にすること
  • 加盟国政府が三者構成の会議を開催し、船員が抱えている問題、特に、交代や移動に関する問題に対する解決策を直ちに見出すこと

 ITF船員部会のデビッド・ヘインデル議長は公開書簡の送付を歓迎し、次のように述べた。「船員および船員が接触する全ての海事労働者の健康を守るために、船員の保護措置について政労使で合意する必要がある」

 「また、各国政府は、船員がこれから乗船しようといういう時に不当な影響を受けることがないよう、船員の乗下船を円滑にする手続きを整備する必要がある」

 ICSは世界各国の船主協会が構成員となっており、世界の商船の8割以上をカバーしている。

 

ITFICS合同声明文(全文)

国際海運界から国連機関への合同公開書簡

新型コロナウイルスの危機においても世界貿易を継続させるために、船員交代の円滑化を

国際労働機関(ILO)事務局長

国際海事機関(IMO)事務局長

国連貿易開発会議(UNCTAD)事務局長

世界保健機関(WHO)事務局長 各位 

 

 新型コロナウイルスのパンデミックが加速する中、各国政府は商船が世界の港湾に寄港できるようにするとともに、船員の移動や交代の円滑化により、海運貿易を継続させることが極めて重要です。

 世界の商船の8割以上を保有する各国の船主協会で構成される国際海運会議所(ICS)と、世界の外航商船隊に乗り組む船員200万人を組織する国際運輸労連(ITF)を代表して、この書簡を送ります。

 新型コロナウイルスのパンデミックが加速する中、各国政府は世界貿易の9割を商船が担っていることを十分に理解することが重要です。食料、エネルギー、天然資源、製品、部品(重要な医療品、スーパーで販売されている多くの商品のほか、複雑なサプライチェーンを通じて製造業の雇用に影響する様々な製品を含みます)を運んでいるのは商船です。商船の存在なくして、社会は機能しません。

 このような世界的危機において、サプライチェーンを閉ざすことなく、海運貿易や交通運輸を継続させることは、かつてないほど重要になっています。

 特に、世界の港湾を商船の寄港のために開放し、船員の交代や移動を円滑にするために障害をできるだけ排除することが必要です。

 毎月、約10万人の船員が、国際法の規定に基づき、交代する必要があります。(船員が国際貨物を安全に運送できるよう、国際法は船員の労働時間や健康について規定しています。)

 そこで、世界の商船隊に乗り組む船員が、国際海運のサプライチェーンを継続させるために乗下船する際、各国の渡航・入国制限の適用を適宜除外することが極めて重要です。

 船員の重要な任務に鑑み、パンデミックが収束するまで、船員を国籍にかかわらず、航空機クルーや医療従事者と同様に「キーワーカー」として扱うことを提案します。つまり、船員が乗下船のために渡航する際は、公衆衛生上の緊急措置にかかわらず、特段の配慮がなされ、実務的な対応がなされるべきです。

 つきましては、この問題が極めて重要であることを貴組織加盟国政府に強調してくださいますようお願い致します。

 また、本件を緊急案件として、貴組織の当該のハイレベル会議の議題に追加するとともに、この深刻な問題に対する迅速な解決策を見出すために、加盟国政府が自国の船主協会や海員組合との協議を直ちに開始するよう促して下さい。そうでないと、パンデミックに立ち向かう世界の取り組みが台無しになってしまうでしょう。

 

国際海運会議所(ICS)事務局長 ガイ・プラッテン

国際運輸労連(ITF)書記長 スティーブ・コットン

 

 

 

 

現場の声

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