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2019年9月、国際労働機関(ILO)において三者構成専門家会議が開催され、「運輸部門における道路の安全性とディーセント・ワークの促進に関する指針」(原題:Guidelines on the Promotion of Decent Work and Road Safety in the Transport Sector)(以下、「ガイドライン」)が採択された。国際運輸労連(ITF)は労働者代表を率いて同会議に参加し、使用者及び政府の代表と1週間にわたり交渉を行った。その結果、「地域社会と道路輸送労働者をあらゆる安全衛生上の危険から保護し、安全で公正な報酬を促進する」(第7項)という目的を掲げ、「道路安全のベストプラクティス」に関する幅広い提言を記載したガイドラインについて三者間で合意した。
ガイドラインは、ITFによる過去数年間の取り組みの成果である。それは、2015年に開催された道路輸送部門の安全衛生に関する会議の準備から始まった。同会議では、労働者代表(これもITFが主導)は、ILO及びその構成組織に「道路輸送の安全確保に向けたベストプラクティスに関する実務指針又はガイドライン」を策定、採択させる決議に対する使用者と政府の合意を得ることに成功した。上記の2つの会議の間に、ITF及びその加盟組合は、ガイドラインが扱う主なテーマに関する研究と議論を行うとともに、ガイドラインが推進する様々な権利及びシステムについて現場でのキャンペーンを継続的に実施した。