世界の海事、航空、労働分野の最高権威が 共同声明 を発表し、船員の交代を円滑にし、コロナ禍で極めて重要な役割を果たしている交通運輸産業に従事する何百人もの交運労働者を「キーワーカー」に認定するよう、各国政府に要請した。
ICAOのリウ・ファン事務局長 、IMOのイム・キタック事務局長、ILOのガイ・ライダー事務局長は、航空産業と海事産業は水産業と並び、グローバル・サプライチェーンの観点から極めて重要な産業であるため、各国政府の設けた移動制限によって妨げられ、船員交代や航空労働者の移動ができないなどということがあるべきではない、と述べた。
「3組織は、船員や海事労働者、漁船員、オフショア石油産業従事者、航空労働者、航空貨物サプライチェーン従事者、空港や港湾サービス労働者が国籍に関わらず確実に『キーワーカー』として認定されるように、それゆえに、各国の移動制限の適用から除外され、救急医療を利用したり、必要であれば、早急に本国に送還されたりできるようにするため努力している」と3組織のトップは語る。
3組織はまた、港に停泊中の船舶からの船員の下船を妨げる制限をなくすよう各国政府に求めた。現在、多くの交通運輸労働者が一定の地域を通過できないために、船員交代や本国送還のために空港などの交通ハブに行くことができずにいる。帰国のための航空便を早急に用意する必要があると3組織のトップは述べる。
「海上貨物輸送サプライチェーンに不可欠な船員交代と、航空機による人道支援、医薬品輸送を円滑にするため、各国政府の支援を求めている。人道的理由からも、また安全と雇用の国際ルールに従うためにも、船員交代を無期限に延期してはならない」
船舶や航空機、空港や貨物施設などでのクルー交代再開を円滑にするため、船員、漁船員、オフショア石油産業従事者、航空・空港労働者を国の移動や医療に関する制約から免除するよう各国政府に奨励する。
既に船員の交代を早急に行うことは各国に要請していたが、今回、他の労働者に関する要求が加わった。世界各国の政府が新型コロナ対策で移動制限を設けたため、世界中で約20万人の船員が契約期間を過ぎても乗船を続けざるを得ずにいる。
ITFと海運界の使用者が船員交代を可能にするためのIMO手続きの実施期限として政府に求めた6月16日が近づきつつある。
世界貿易を止めないためにも船員交代を妨げる制限は排除するべきだとITFは警告している。
各国政府に求められる具体的な行動を記した3機関の共同声明の全文は ここ から閲覧可能。
船員交代促進運動をご支援いただける場合は、以下のサイトの「船員に関する請願書」に署名をお願いします:https://seafarersmatter.com/index.php/the-letter/
Post new comment