Skip to main content

Eコマース企業のmemlig.comが協約締結で労働者の権利を強化

ニュース

2023年2月8日配信

デンマークのオンラインEコマース小売業者、nemlig.comの配送員は、このほど3F労組が締結した団体協約(CBA)により、給与と労働条件が大幅に改善される。

これは、国際運輸労連(ITF)の加盟組合の3Fがデンマークでラストワンマイル輸送労働者の搾取を阻止するために懸命に行ったキャンペーンの成果であり、新しいテクノロジー・ビジネスのビジネスモデルを公正な労働慣行に従ったものにさせるため、世界中の労働組合が行ってきた取り組みの一環でもある。

ITFスティーブン・コットン書記長は、「3Fの運動が大きく前進したことを祝福したい」と述べた。「nemlig.comの運転手のためにディーセントな賃金と労働条件を確保することは極めて厳しい闘いだった。これは、ギグ・エコノミー業界で見られるアマゾンタイプの労働者搾取に反対するITFと加盟組合の闘いの中で画期的な展開だ」

この協約により、ドライバーは最低時給20.30ユーロ(22米ドル弱)、年金(使用者が8wo負担)、残業手当、休憩、休日、有給の病気休暇、産休、育休などの権利を得ることができるようになる。これにより、彼らの条件はデンマークで働く他の組織運転手の雇用条件と同等になると3Fは述べる。

nemlig.comのステファン・プレンジCEO と3Fのヤン・ビラッドセン委員長による協約の調印式

請負業者ではなく従業員

運転手を従業員ではない請負業者に分類し、適正な賃金と基本的な権利を与えないという慣行は、新興のテクノロジー企業の間で広く行われており、世界中の労働組合の闘争の対象になっている。nemlig.comの運転手にとっては、新協約により、この慣行が終了する。デンマークの組合による2年間の厳しい交渉の結果、nemlig.comの悪しき慣行が大きく報道され、配達員の適正な労働条件を求める世論の支持が高まった。

この協約締結により、nemlig.com6月から初めて配達員を直接雇用することになり、下請け業者の利用は引き続き認められるものの、下請け運転手にもnemlig.com3F運輸労組が締結した協約と同じ賃金を支払わなければならない。

3F運輸労組のヤン・ビラッドセン委員長は、「この協約には非常に満足しており、喜んでいる」と述べた。「同協約は、業界の他の労働協約と同レベルで、3Fの団体協約でカバーされるデンマークの他のすべての運転手と同等の権利が確保される。このことは、CBA締結を通じ、新しいビジネスモデルを取り入れることが可能であることを示している。また、組合とこの団体協約が今後は仕事の一部になったことを示している」

ビラッドセン委員長は、ITF、欧州運輸労連(ETF)、その他の欧州の組合がnemlig.comキャンペーンを支援してくれたことに謝意を表明した。

「アマゾンを含め、余りにも多くの企業が、ビジネスの効率性や柔軟性を高めたと思い込んでいるが、やっていることは労働者の搾取に過ぎない」とコットン書記長は述べる。「今回のような協約の締結により、現代の企業もまた、労働者を大切にすることから実際に利益を得ることができることが示された」

現場の声

ニュース

英国の鉄道の再国営化:労働組合の声

労働党政権による鉄道再国営化の決定は、民営化という世界的な潮流からの重要かつ歓迎すべき転換である。再国営化は「第 4 次鉄道パッケージ」等の EU 指令に組み込まれた EU の政策アジェンダとの決裂をも意味する。  この政策転換は、 ITF 加盟鉄道労組-全英鉄道海事交運労組( RMT )、機関車技師・機関助手協会( ASLEF )、交通運輸従業員組合( TSSA )-