仕事の世界における暴力とハラスメントを禁じる初の条約が国際労働機関(ILO)百周年記念総会で採択された。
新条約は、ILOの場で始めて議論されてから2年間のプロセスを経て、採択された。第190号条約(法的拘束力のある国際条約)および第206号勧告(条約の適用方法に関する拘束力のないガイドライン)の形をとる。
ITFは100周年記念総会に代表団を派遣し、各国代表団の交通運輸労組団員と密接に連携しながら、労働者グループ内で中心的な役割を果たした。ITF女性部のクレア・クラークとネハ・プラカシュが率いるこの代表団には、カナダとフランスの女性も加わった。
ITFのダイアナ・ホランド女性委員会議長はジョディ・エバンズ女性部長と共に、専門家グループの一員として総会前から議論に加わり、条約の基盤を築いてきた。ホランド議長は、条約採択を受け、次のように語った。「この歴史的な国際基準は、仕事の世界における暴力やハラスメントを防止、禁止するための行動、また、労働者とその家族のための持続的変化を意味するものでなければならない。条約の直接の結果として、ITF加盟組合の組合員、特に女性交通運輸労働者の生活は改善するだろう」
「新条約は、全ての人が暴力やハラスメント(ジェンダーに基づく暴力やハラスメントを含む)を受けずに仕事をする権利を認めるものであり、公共部門、民間部門、フォーマルセクター、インフォールセクターにかかわらず、また、都市部、地方にかかわらず、あらゆる部門に適用される」
「仕事の世界とは、職場よりも広い範囲を意味し、仕事の過程、あるいは、仕事に関連、起因して発生する出来事や、衛生施設を利用している時や通勤中の出来事も含まれる。これは、男女にかかわらず、交通運輸労働者にとって特に重要だ」
「また、DVの影響やDVが仕事に与える影響を軽減させる必要性も認識し、その対策の概要も示している。これは大きな前進だ」
ILO総会で投票を見守ったITFのスティーブ・コットン書記長は次のように語った。「暴力とハラスメントは、特に女性が労働市場に参入し、仕事を継続し、活躍する障害となり得る。新条約は、安全でディーセントな仕事に基づく「仕事の未来」のための強固な基盤を提供する歴史的な条約である」
「すべての労働組合、政府、使用者が、条約の内容を実現するために協力しなければならない。今日の勝利を導いたITF女性部および女性委員会のこれまでの取り組みに敬意を表すしたい。労働者の生活向上を実現させるための次なる取り組みをITFは全面的に支援する」
ITF女性部は、女性交運労働者に対する暴力撤廃運動の一環として、新条約・勧告の批准・実施を求める運動を加盟組合と共に展開していく。この運動の詳細はITF書記局(women @ itf.org.uk)まで。
ILO総会基準設定委員会の文書はこちら。
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