ITF加盟英国航空操縦士協会(BALPA)とBAとの賃金交渉が決裂し、BAパイロットは9月9日と10日にストを実施した。BAを所有するインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が大幅な利益を出しているにもかかわらず、BALPAの賃上げ要求が拒否されたことが主な要因だ。
ここ十数年間、民間航空業界は不況に陥り、一部の航空会社は倒産に追い込まれた。この間、BALPAを含む航空労組は、使用者側と建設的な関与を続け、経営安定化のための賃金・労働条件切り下げに合意してきた。
しかし、多くの航空会社が利益を回復させる中、各社経営は利益に見合った賃上げを実施し、これまでの労働者の善意に応えることを拒否している。昨年、BAは20億ポンドの利益を計上した。BALPAは、BALPAの賃上げ要求を満額実施したとしても、会社の負担は500万ポンドに過ぎない、交渉次第で譲歩の余地がある旨、再三主張してきたと述べている。
経営側が交渉を拒否し続けているため、パイロットの93%が、9月9日、10日、27日のストに賛成票を投じた。この投票は1月まで有効だ。BALPAは、争議解決の目途が立たなければ、さらなるストを発表するとしている。
ITF民間航空部会のガブリエル・モチョ・ロドリゲス部長は、「組合が譲歩するものの、経営は強硬な姿勢を取り続けるという、お決まりのパターンが繰り返されている。経営状況が悪い時、労働者は会社の生き残りのために悪い条件を受け入れ、会社役員の首はつながる。一方、経営状況が良い時、経営陣は利益を労働者に分配することを拒否する」
「ITFは、BA経営に交渉のテーブルに戻るように要求するBALPAを支援する。また、スタッフトラベル(航空券割引)制度の停止等、経営側の報復措置を非難する。ストが重なるごとに、会社は多額の損失を出し、乗客は迷惑を被る。これらは全て、交渉で解決できることだ」
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