ノーティラス・インターナショナル労組と国際運輸労連(ITF)は、ホルムズ海峡において英国の石油タンカー「ステナ・インペロ号」が拿捕されたことを受け、懸念を表明し、事態の外交的解決とホルムズ海峡の緊張の緩和を訴えた。
イランの革命防衛隊が金曜日にホルムズ海峡で英国の石油タンカー「ステナ・インペロ号」を拿捕したが、同船にはインド人、ロシア人、ラトビア人、フィリピン人などの船員23名が乗り組んでいる。
「今回の事態にショックは受けたが、ペルシャ湾の動向には驚いていない。組合はこの数週間、英国海運会議所に何度も懸念を伝えてきた。防衛大臣にも書簡を送り、ペルシャ湾の緊張の高まりについては、各国の海軍が共同で介入すべきだと訴えた。船舶と乗組員の即時解放を求め、早急に外交努力を行うよう英国政府にも求めている」とノーティラス・インターナショナル労組のマーク・ディキンソン書記長が述べている。
「拘束されている船員とその家族のことを常に考えている。組合は船員が安全に解放されるように国際的な活動を支援し、世界の仲間とともに、危険が明白な海域を船が運航する際には必ず全ての船員が攻撃から守られるよう担保するため、これまで以上に活動に力を入れることを約束する」とディキンソン書記長。
イスラム革命防衛隊は声明の中で、ステナ・インペロ号が国際海運法規を無視してホルムズ海峡を通過したため、ホルムズ海峡港湾海事機関の要請により、同船を拿捕したと述べている。
準公式のイラン通信社ファーズによると、同船はイランのバンダル・アッバス港に曳航され、法的手続きが完了するまでの間、23人の乗組員全員が船内で拘束され続けることになっている。
ITF船員部長のデイブ・ハインデル議長は、「ITFは事態を憂慮している。ステナ・インペロ号の拿捕はまさに、ペルシャ湾の混乱が強まっていることを如実に示している」と述べた。
「これは一連の憂慮すべき事態の最近の一例に過ぎない。ITFはペルシャ湾の緊張緩和を今一度呼びかける。アラビア湾、ホルムズ海峡、バブ・エル・マンデブ海峡、オマーン湾の全域において、公海の安定性を促進し、船舶の安全な通過と航行の自由を確保するよう全ての政府に要請する」
「船員は自身の安全リスクに懸念をもっている。海運業界と各国の政府が協力し、ホルムズ海峡のような海運の要衝において航行の安全保障と紛争回避に取り組むことが不可欠だ」とハインデル議長は締めくくった。
連絡先
ルーク・メンジーズ(ITF )| +61 (0) 433 889 844 | menzies_luke@itf.org.uk
ヘレン・ケリー(ノーティラス・インターナショナル労組) | +44 (0)20 8989 6677 | hkelly@nautilusint.org
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