Skip to main content

カタールの新労働法は移民労働者の権利保護において歴史的な進展

ニュース 04 Sep 2020

 カタール政府が発表、採択した新労働法は、湾岸諸国の移民労働者の権利保護において歴史的な進展である。

 これらの新法の導入と今年初めに実施された出国許可制度の廃止によって、現代の奴隷制、カファラシステムは実質的に廃止される。

 差別のない最低賃金を導入し、移民労働者が雇用主の許可なく転職できるようにするこの労働制度改革は、移民労働者にとって大きな突破口だ。

 ITFのスティーブ・コットン書記長は次のように語った。「ITFは、労働者の権利保護において歴史的進展と言えるこの改革を歓迎する。労働者により多くの自由と保護をもたらし、ディーセントワークを促進する、この改革を実現したカタール政府、ILO、国際労働組合運動の努力を称えたい」

 「カファラシステムの廃止は、航空、港湾、公共交通を含むあらゆる交通運輸部門の労働者にとって大きな変化をもたらすと我々は主張してきた。これらの変革はこれまでのコミットメントを集約したものだ」

 ITFは今後もカタール政府と協力しながら、国際基準と最良事例に基づいて、交通運輸労働者の社会的保護を強化する」

 ITF2018年、カタール政府とILOの技術協力プログラム(TCP)を通じて交通運輸労働者のディーセントワークの確保を目指すことを、カタール行政開発労働社会省(ADLSA)およびILOカタール・プロジェクト事務所と合意した。これらのコミットメントは、この時の合意に基づくものだ。

 8月30日に発表されたこの改革で、40万人の移民労働者の賃金が33%アップする。食事と宿泊を含む最低賃金1800カタールリヤル(494米ドル)は、カタール人を含む全ての労働者が対象となる。

 国際労働組合総連合(ITUC)が説明しているように、移民労働者とカタール人労働者の最低賃金は、雇用主負担に応じて3つのレベルに分けられる。

  • 1000カタールリヤル(雇用主が食事と適切な宿泊施設を提供)
  • 1500カタールリヤル(雇用主が適切な宿泊施設を提供。食事の提供はなし)
  • 1800カタールリヤル(雇用主からの宿泊施設および食事の提供はなし)

 ITUCのシャロン・バロー書記長は、カタール政府が採択した新法は、労働者の権利保護に大きな変化をもたらすものであると指摘し、次のように語った。

 「カタール政府は労使関係を規制し、労使間の力の制度的不均衡を解消させた。これらの改革は、過去と決別し、労働者を尊重する法および苦情・救済制度に支えられた未来を移民労働者に保障するものだ

 「湾岸諸国で初めて採用された、生活費の証明に基づく、差別のない最低賃金により、カタールの移民労働者の2割が賃上げを享受する。この最低賃金は、雇用契約書に記載された金額に関係なく適用される」

 

現場の声

ニュース 01 Jul 2024

LGBT+の労働者は組合に誇りを持っている

 「一人に対する攻撃は全員に対する攻撃だ」 この原則は交通運輸産業の労働者を含む世界中の労働者の運動を何世代にもわたって鼓舞してきた。レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、その他クィアの労働者は、労働組合運動において常に重要な役割を果たしてきたが、近年になってようやく、彼らの貢献と彼らが職場で直面している問題が認識されるようになった。  ITF はまず
ニュース 28 Jun 2024

チリの労働運動に大きな打撃

 国際運輸労連 (ITF) はチリの全国鉄道旅客貨物輸送労連 (FNTF) のホセ・ ボニン委員長の死去にショックを受け、悲しみに暮れている。  ボニンは 6 月 20 日未明、列車二台の正面衝突事故の犠牲となった。銅 1,346 トンを積載した貨物列車を運転していた。  初期の報道によると、チリ国鉄 (EFE) の試運転列車と私鉄フェパサの貨物列車が衝突した。  ITF のスティーブ
ニュース 記者発表資料 10 Jun 2024

不透明な船籍ビジネスの代償を払わされる船員

紅海で発生した事件は、「便宜置籍船」の増殖を許すことの危険性を示している。 ITF マリタイム・コーディネーターの ジャクリーン・スミス – アルジャジーラ による報道。 4 月 13 日、イラン・イスラム革命防衛隊の海軍部隊が、ホルムズ海峡でポルトガル船籍のコンテナ船、 MSC アリエス号を拿捕し、乗組員を拘束した。本船はスイスに本社を置くメディタレニアン海運会社が、イスラエルの大富豪エアフ