国際運輸労連(ITF)のアイルランド漁業キャンペーン・リーダ ー、マイケル・オブライエンは、今晩、遅ればせながら、アイルランド政府が非欧州経済領域の漁業者のための非典型労働許可制度の見直しを行うと発表したことを受け、次のように述べた。
「ITFは、この報告書を詳細に検討し、これが意味するところを移民漁業者に説明する役割を果たしていく。
「報告の主な勧告は、この制度は事実上廃止され、漁船員を企業・貿易・雇用省による、より有利な労働許可制度へと統合されるとしている。したがって、現在非典型制度に登録されているすべての漁船員は、希望すれば4号ビザスタンプ(訳注:一定期間にわたり滞在が許可される)の取得、完全な労働市場へのアクセス、家族との再開への道が開かれることになる。
「この制度は、現在、この制度に登録している300人弱の漁船員に大いに歓迎されるだろう。これにより、漁船員の入国許可が永遠に一人の船主にのみ縛られ、大きな力の不均衡を生み、虐待や搾取を可能にする現状に終止符を打つことができるからだ。また、この新しい取り決めにより、将来アイルランドにやってくる非EEA移民漁船員も同様に恩恵を受けるだろう。
「今後、漁船員を雇用する際に利用される適正な許可制度は、企業通商雇用省が関係者と1年にわたる協議を行うことを要件としている。ITFは、加盟組合や移民漁船員ネットワークに組織されている移民漁船員と協力し、移民漁船員が利用可能な最善の許可制度、賃金、労働条件を確保するため、このプロセスに全面的に関与していく」
不法滞在漁船員と元漁船員の問題については沈黙
「報告書から大きく抜け落ちているのは、約250人の不法滞在漁船員と元漁船員の問題で、彼らの多くは、何年も労働した後、怪我や搾取的な雇用主との軋轢によって制度から離脱してしまし、不法滞在のまま仕事を再開している者も多い。
「これらの漁船員のほとんどが、今年初めにマッケンティー大臣が発表した不法移民労働者のための制度からは除外されている。彼らの多くは、法的代理人を介して司法省に個別の訴訟を起こしているか、あるいは滞在ステータスを正規化するために裁判所で闘っている。この問題に対応するべきだ。今回の見直しを経ても、これらの漁船員が不法滞在ステータスのまま働き続けている状態を放置するのは矛盾している。
「最後に、報告書の著者は、過去6年半の非典型就労制度の現状と、特に人身売買の問題に関して、全般的に不当な歯切れの悪い論調になっている。
「過去6年間、数十名の漁船員の代理でITFが信憑性のある申 し出をした結果、彼らはアイルランド警察により、人身売買の疑いのある被害者のための国家照会制度に登録された。検察局長(DPP)はこれらすべてのケースで起訴を見送ったが、その理由は証拠が不十分だったためで、報告書が誤って述べているように告発が「根拠がなかった」わけではない。DPPは漁船員はもとより、労働搾取を目的とした人身売買をこれまで起訴できなかった。そのため、アイルランドは様々な国際的な人身売買防止に関する報告書で常に低い得点を得ている」
この記事に関する連絡先: Michael O’Brien o’brien_michael@itf.org.uk +353872400331