セーフレートとは何か?
路面運輸労働者は通常、長時間、疲労を募らせながら、高スピードを出し、過積載の状態で運転しなければ、生計を立てられないというプレッシャーに直面しています。こうしたプレッシャーは、グローバル・サプライチェーンの頂点に位置する企業から始まる、コスト削減の入札慣行や、商品の配送を発注する大企業の不合理な要求に起因しています。このような経済的圧力は運送会社を通じて、低賃金、劣悪な労働条件、労働強化という形でドライバーに押しつけられ、その結果、ドライバーは危険な運転行為を余儀なくされ、すべての道路利用者が危険にさらされることになります。
セーフレートを保障することは、ドライバーがすべての労働時間に対して公正な賃金を支払われ、安全に運転し、家族を養うのに十分な収入を得られることを意味します。ドライバーが車両を所有している場合は、その購入、維持、運転にかかる費用を負担できるようにセーフレートを算出する必要があります。
セーフレートは、労働組合と運送会社およびその顧客との協約を通じて、あるいは、法規制を通じて、以下を実現することによって保障することができます。
- すべてのドライバーにとって公正かつ平等な賃金・労働条件の基準を設定すること。
- すべての業界関係者、特にサプライチェーンの頂点に位置する企業の責任を追求すること。
- 監視と実施に関する強固な規定を設けること。
- 基準の設置、監視、実施のプロセスに組合を関与させること。
世界的に証明されている
カナダ、ブラジル、オーストラリア、韓国その他の国々で、セーフレート制度が運輸労働者とその家族の生活、道路の安全性、産業の持続可能性を向上させました。
オーストラリアのニューサウスウェールズ州のセーフレート制度は、トラック事故で失われていたかもしれない205人超の命を救いました。
韓国でセーフレートが導入されてから二年後、ドライバーの居眠り運転が60%以上減りました。
2019年に政労使の代表によって採択された「路面運輸部門におけるディーセントワークと道路安全の促進に関するILOガイドライン」(ILO路面運輸ガイドライン)は、セーフレート制度・原則の実施および遵守をILO加盟国および全ての業界関係者に求めています。
セーフレートを求めて世界の組合が団結
2023年9月22日、ITFとその加盟組合は各国政府と業界関係者に以下を求める世界的なセーフレート・キャンペーンを立ち上げました。
- セーフレート制度の実施
- 公正な運賃の保障
- サプライチェーンの透明性強化
- コンプライアンスの強化と違反の
- 労働組合の権利の保障
- ILO路面運輸ガイドラインと関連国際基準の実施
あなたの組合もセーフレート・グローバル要求声明を支持し、ITFと共に各国・産業・職場でセーフレートを求める闘いを行うことで、このキャンぺーンに加わって下さい。