20万人以上の船員が雇用契約期間を越えても船に乗り組み続けざるを得ない状況を受け、世界中の船員が船員交代を可能にするよう、それぞれの国の政府に圧力をかけている。
『主要労働供給国のITF加盟組合から世界の船員と国際社会へのメッセージ』の中で、船員供給国の組合は、船員の雇用契約が終了し、安全な帰国が可能な場合、船員が下船し、帰国できるよう支援する労働組合の取り組みを支援することを宣言する、ITFの「もう限界だ」という主張への支持を表明している。
ITF船員部会のデイブ・ハインデル議長とコンラッド・オカ第一副議長は船員によるこの声明を歓迎している。
「私たちITFに結集する船員組合は、船員交代の行き詰まりを解消し、雇用契約が終了した船員を帰国させるためにできる限りのことをしてきた。使用者側の団体交渉チームであるJNGを通じ、使用者や国際海運会議所(ICS)とも協力し、IMOやILOへのロビイングにも成功した。また、国連が船員をキーワーカーと見なすようになり、国連事務総長からの支援も確保することができた」とデイブ・ハインデル議長は語る。
「私たちがこのような国際機関に対してロビイングを行うのは、船員交代の実質的な手続きを進めるための手段を世界各国の政府に提供するためだ。政府は船員交代の手段がない、あるいはその時間がないという言い訳はもはやできない」
「ITFに加盟する労働共有国の船員組合が、船員交代を実現することを目指す国際的運動に対する決意を新たに確認してくれたことに勇気づけられた。各国は船員交代の実現に向け、必要な変化を始めている。事態がここまで進展したのはITF加盟組合の団結あってこそだった」とハインデル議長。
ITF船員部会の第一副議長を務め、フィリピン船舶職員部員組合のコンラッド・オカ委員長は、この共同声明は世界中の船員が連帯の力を認識していることを示しているとして、次のように述べた。
「ITFは常々、世界貿易や世界の労働市場は労働者が仕事を終えた時に家に帰れることを前提としていると主張してきた」
「一部の政府に前向きな兆候が見られるが、今この機会を逃すことはできない。今こそ、契約を終えた船員が下船し、空港に行き、安全に母国に帰国できるよう、世界中で船員交代のための手続きを導入すべき時だ。様々な物資の供給ルートが機能し続けるためには、世界の政府が交替の船員の上船を可能にする必要がある」
「船員交代の危機で船員とその家族は言いようもない負担を背負ってきた。船員組合も負担を強いられてきた。極めて緊張が高まった状況だ。しかし、前進していくためのあらゆる段階で、我々は団結していく。我々はこの困難にともに立ち向かう」とオカ第一副議長は締めくくった。
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