航空需要が急落を続け、新型コロナウィルスの変異種が広がりを見せる中、政府が導入した移動制限により、業界の好転の見通しが妨げられている。そこで、国際運輸労連(ITF)は、国際民間航空機関(ICAO)の航空回復タスクフォース(CART)が今日、採択した最新のガイダンスを採用するよう、各国政府に求めている。
「世界のワクチン接種を加速するため、航空労働者を優先接種の対象に今すぐ入れる必要があることは明白だ。世界中の航空労働者が優先接種を求めている」とITFのスティーブ・コットン書記長は述べる。
「ITFはICAOが新たに発表したコロナ対応策、特に、航空乗務員と乗客のためのワクチン接種と検査手続きに関する措置を歓迎している。各国政府に対し、航空乗務員向けの新ICAOガイダンスを迅速に採用することと、世界保健機関(WHO)の勧告に従い、全ての航空労働者をワクチンの優先接種対象に含めることを求める」
ITFは、新型コロナウィルス感染症とワクチンに関するデータの各国による安全な共有を可能にするよう求めている。最も厳格なセキュリティとプライバシー規則に沿った上で、全ての乗客と乗務員を対象とした、全世界で広く認識され、受け入れられるグローバル基準を設置して欲しい。
ITFはまた、医療施設や、運航乗務員や航空管制官が使用するフライトシミュレーション研修センターなどの訓練施設への国境を越えたアクセスを促進し、労働者が資格や経験、スキルを維持できるようにするべきだとするCARTの勧告を称賛している。また、相互に関連する陸や空の輸送面の障害を解決する上でもITFはICAOを支援し、ワクチンやその他の物資が必要とされている国、とりわけWHOのCOVAXプログラムの対象国に届くように担保していく。
今、何百万人もの高スキル航空労働者が航空サービスの停止、空港機能の縮小、オペレーションの大幅削減の影響を受けているが、ビジネスが回復した際には、労働力として迅速かつ効果的に雇い戻される必要があるだろう」とITF民間航空部会のジョセフ・タイベリ議長は述べる。
「事前の通知、慎重な計画づくり、政労使かの緊密な協力と対話が絶対的に不可欠だ。ITFは、訓練に関するCARTのガイダンスを実施すると同時に、ワクチン接種の開始と旅行制限の緩和に関する計画とスケジュールを積極的に決定するように各国政府に求めている。この2つを同時に行うことにより、航空業界は需要の停滞に対応し、経済を再始動するための効果的なオペレーション再開に向け、適切な準備ができるだろう」とタイベリ議長は語った。