Skip to main content

船員の死亡事故を受け、セントローレンス川航行中の船員によるラッシング禁止をカナダ運輸省に要請

ニュース 記者発表資料 24 May 2019

 スリランカ人の二等航海士、ラビンドゥ・ラクマル・ピエリス・テルゲは、午前9時30分頃にマースクのコンテナ船、パトラス号から海上に転落した。大規模な捜索・救出作業にもかかわらず、遺体はまだ発見されていない。

 カナダ運輸省およびITFの調査によると、二等航海士はラッシング作業中に転落したらしい。他の乗組員は、転落防止器具を身に着けていなかったのは彼だけだった証言している。

 カナダのピーター・ラヘイITFコーディネーターは次のようにコメントした。「遺族、友人、パトラス号の乗組員にとって、悲劇的な状況だ。セントローレンス川を航行中に船員がラッシングをすることに対する我々の懸念が現実となってしまった」

 「初期の報告では、転落事故はパイロット・ラダー(縄梯子)を設置中に発生したとされていたが、乗組員に話を聞いたり、さらに調査を進めたりしたところ、二等航海士は自分の体重の半分くらいの重さのある4メートルのラッシング・バーを扱っている時に転落したと思われる」

 「現在、公式の調査結果が出るのを待っているところだが、我々が調査を開始した段階から、乗組員の疲労や船内の安全手続きに深刻な問題があったと感じている」

 ITFはこれまでもカナダ運輸省に対して、セントローレンス川を航行中に船員がラッシングを行うことの危険性を訴え、証拠を示してきた。

 「ITFはカナダ政府にこの危険な行為を止めさせるように要請してきた。ラッシングは、それ自体が危険な作業であるが、気象条件や乗組員の疲労等によって、危険度はさらに高まる」

 「ITFの立場は一貫している。船員の命を危険にさらすのを止めなければならない。ラッシングという危険で難しい作業は、訓練と経験を積んだ港湾労働者に任せるべきだ」

 ILWUカナダのロブ・アシュトン委員長は次のように語った。「カナダでは、コンテナ船の危険なラッシング作業は、モントリオール以外は全て港湾で行われている。船が動いている最中に乗組員にコンテナのラッシングをやらせるなどという危険な慣行が存在するのは世界の中でモントリオールだけだ」

 「モントリオール港は、船員の安全と環境を守る責任を果たすべきだ。船員が疲労すれば、事故が起こり、人々の命が奪われる。ラビンドゥ・テルゲが再び家族の元に帰れることはない。このようなことは二度と起きてはならない」

 ITFは、ラッシングは資格のある港湾労働者だけに行わせるよう、運輸省とモントリオール港に要請するよう、マースクにも訴えた。

問い合わせ: Luke Menzies +61 433 889 844

Post new comment

Restricted HTML

  • Allowed HTML tags: <a href hreflang> <em> <strong> <cite> <blockquote cite> <code> <ul type> <ol start type> <li> <dl> <dt> <dd> <h2 id> <h3 id> <h4 id> <h5 id> <h6 id>
  • Lines and paragraphs break automatically.
  • Web page addresses and email addresses turn into links automatically.

現場の声

ニュース 28 Jun 2024

チリの労働運動に大きな打撃

 国際運輸労連 (ITF) はチリの全国鉄道旅客貨物輸送労連 (FNTF) のホセ・ ボニン委員長の死去にショックを受け、悲しみに暮れている。  ボニンは 6 月 20 日未明、列車二台の正面衝突事故の犠牲となった。銅 1,346 トンを積載した貨物列車を運転していた。  初期の報道によると、チリ国鉄 (EFE) の試運転列車と私鉄フェパサの貨物列車が衝突した。  ITF のスティーブ
ニュース 記者発表資料 10 Jun 2024

不透明な船籍ビジネスの代償を払わされる船員

紅海で発生した事件は、「便宜置籍船」の増殖を許すことの危険性を示している。 ITF マリタイム・コーディネーターの ジャクリーン・スミス – アルジャジーラ による報道。 4 月 13 日、イラン・イスラム革命防衛隊の海軍部隊が、ホルムズ海峡でポルトガル船籍のコンテナ船、 MSC アリエス号を拿捕し、乗組員を拘束した。本船はスイスに本社を置くメディタレニアン海運会社が、イスラエルの大富豪エアフ
ニュース 06 Jun 2024

「組合か仕事かどちらかを選べ」と言われた港湾労働者たち

 トルコの港湾労働者は、敵対的な使用者から、自ら組合を選んで加入する権利を攻撃されている。  ボルサン港の港湾労働者は 3 月、港湾労組の リマン・イシュ に加入した。使用者のボルサン・ロジスティック AS はこれを受け、 6 人を解雇した。この6人はその後、地元の政治家の介入により、復職した。  5 月 21 日、同社は労働者が自ら選んだ組合に加入する権利を尊重するという約束を反故にし、 37