バンコクの空港労働者は10日、トイレ利用を含む基本的権利の剥奪に抗議の声をあげた。退職強要、恣意的な解雇、組合委員の雇用契約終了等も行われている。
タイ空港公社(AOT)が運営するバンコクの空港では、長年の経験を持つ労働者を維持しつつも、勤続年数に基づく評価や退職手当を回避し、コスト削減を追及する戦術がとられているようだ。
このような戦術は、コロナ禍を利用して、労働者の犠牲の下に利益を拡大しようとする企業の世界的動向を反映している。ITFはウィングスパン労組(WWU)とタイ空港労組(AWUT)に連帯し、彼らの闘いを支援している。
バンコクの空港でX線検査を行っていた、ASMセキュリティ管理会社の元従業員は、退職を強要され、2020年4月に労働条件が大幅に下回るAOT 航空保安会社(AVSEC)と契約させられたと告げた。
長年従事してきた業務の正式な資格を保持していないとの理由から解雇された者もいる。「空港保安業務の経験が15年あるから仕事を続けられると言われていたのに、突然、小学校を卒業していないことを理由に解雇された」と交通整理警備員のプルーは語った。
驚いたことに、AVSECの警備員は、トイレ休憩や昼食休憩なしで8時間シフトに就かされている。そのため、下着を汚してしまったり、尿路感染症を発症してしまったりすることがあるという。
「労働者にこのような屈辱を強いる職場があるだろうか?トイレに行くことは贅沢なことではなく、人間の基本的なニーズだ。AVSECは、従業員が必要とする時はいつでもトイレに行かせる義務がある。組合と協議して持続可能な解決策を見出すのか、あるいは将来の労働の危機の種を蒔くのか、コロナ危機への対応の仕方が問われている」とITFのスティーブ・コットン書記長は述べた。
不当解雇されたり、法律で保障されている休暇を剥奪されたり、無給休暇の取得を強制されたりしている者もいる。
一方、バンコクの空港で空港業務を提供しているウィングスパンサービスは、ウィングスパン労組(WWU)とタイ空港労組(AWUT)の各種委員会の委員に就任している従業員の大半を雇止めとした。他の仕事があるにもかかわらずだ。組合員が狙い撃ちされているようだ。
タイ空港公社(AOT)は、所有・運営する空港が国際労働基準に反しないようにしなければならない。