2021年3月31日配信
国際民間航空機関(ICAO)が新型コロナウイルス感染症対策の新ガイダンスを発表するとともに、ワクチン優先接種に関してWHOに要請を行ったことを受け、世界の空港および空港労働者を代表する二つの国際組織が、航空労働者のワクチン優先接種を各国政府に改めて要請した。国際空港評議会(ACI)と国際運輸労連(ITF)は、ワクチン接種に関するICAOおよびWHOの揺るぎないサポートを認識している。
ACIとITFはICAOの航空回復タスクフォース(CART)に貢献しており、WHOの勧告を基に策定されたICAOの新ガイダンスを歓迎している。WHOの勧告には、回復のための国際基準の設定に向けた、検査およびワクチンに関する新たな検討事項が含まれている。
2020年12月、 ACI とITF は、コロナ禍からの世界的な回復に向けて、空港労働者のワクチン優先接種を各国政府に呼びかけている。
ICAOの最新ガイダンスについて、ACIのルイス・フェリペ・デ・オリベイラ事務局長は次のように述べた。「すべての関係者が安全を優先させて初めて、航空旅行の再開が可能となる。空港労働者のワクチン接種を優先させるのは、渡航者、スタッフ、一般市民の健康と福利を守るためである。そのためには、医療従事者等の優先グループに続き、キーワーカー(市民生活に必要不可欠な労働者)の接種を実現することが不可欠である。ワクチン接種、よく調整された検査体制、継続的なリスク評価が、乗客の信頼回復の基本となる」
「ワクチンを含む必要物資の輸送を担い、コミュニティに経済的・社会的利益をもたらす航空は回復の原動力だ」
ITFのスティーブン・コットン書記長は、ICAOの新ガイダンスを支持し、次のように述べた。「ICAOの新ガイダンス、特に航空労働者と乗客のワクチン接種および検査手続きに関する政府や業界へのアドバイスを歓迎する。これらの基準は航空業界の回復を導くとともに、需要回復に不可欠であることは間違いない」
「我々は、全ての航空労働者-空港警備員や清掃員から客室乗務員やパイロットまで-のワクチン接種と健康・安全の確保を各国政府に求めている。各国政府はこれらの労働者をキーワーカーとして認識し、優先接種の対象とすべきだ」