アイルランドのヘレン・マッケンティー法務大臣が3日発表した、推定17,000人の不法就労者のための制度について、ITFのマイケル・オブライエン水産キャンペーン主任は次のように語った。
「この制度は、外国員漁船員を含む何千人もの不法就労者の地位を規定する明確な道筋を開くことになる。多くの人が歓迎するだろう。
「しかし、マッケンティー大臣が発表した内容を詳しく吟味してみると、ITFが数カ月前から指摘してきた潜在的な問題が残ったままであることが分かった。
不法就労の漁船員の多くが自問するのは、当局に申請すべきかどうかということだ。申請すれば、当局に不法就労を自ら知らせることになるからだ。また、制度が厳格に運用されたら、明らかに資格がないと思われる場合は、550ユーロという高額の申請費を無駄にするリスクもある。
潜在的な欠陥
アイルランドに4年以上滞在する外国人漁船員等の適用除外が想定される3つのシナリオについてオブライアンは説明する。
「まず、ある時点で「非典型就労許可制度」に登録したものの、直近4年間のうちに不法就労になった外国人漁船員だ。司法省のウェブサイトに掲載されている適用事例は、不法就労になったのが4年以上前だという点を除いて、彼らの状況と酷似している」この点が非常に曖昧だ。
「第二に、短期ビザを持つ外国人漁船員や元漁船員だ。人身取引の被害者の照会制度(NRM)や「職場関係委員会(WRC)」の係争案件の結果次第では、新制度に申請できない場合は国外退去を命じられかねない。
最後に、現在も「非典型就労許可制度」に登録している漁船員だ。彼らは1年ごとにビザの更新が必要なスタンプ1に分類され、船主と紐づけられている。このことが搾取的・抑圧的な労働条件の原因となっているとの指摘もある。
このように、外国人漁船員の法的地位の二分化が予測される。つまり、4年以上不法就労が続いている漁船員は、新制度に申請し、2年間有効のスタンプ4を手に入れ、使用者を変えることも可能となる。一方、「非典型就労許可制度」に登録している漁船員は、たとえ同じ船に乗り組んでいたとしても、比較的不利なビザしか取得できない。「非典型就労制度」に登録中の漁船員が最近、スタンプ4を申請し、不許可となった事例がいくつかある。
「単に居住地に基づく制度であれば、問題は単純で、欠陥も是正できただろう」とオブライアンは説明する。
オブライエンは、アイルランド移民権利センターが起草し、ITFを代表して自身が署名した法務大臣宛の2通の書簡において、この点を指摘した。しかし、残念ながら、これらの書簡に対する回答も、直接の問い合わせに対する回答もない。
「導入が予定されている1月までの4週間に、制度の修正や明確化を行い、欠陥を是正させることはできる」そうでなければ、ITFは、ITFが組織する外国人漁船員の状況を改善させるために、別の道筋を検討しなければならないだろう」とオブライエンは続けた。
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