国際海運会議所(ICS)と加盟船主協会およびITFと215の加盟船員組合は、2020年5月1日のメーデーの現地時間12時に港に停泊中の船舶が汽笛を鳴らすことを世界の船員に呼びかけている。
メーデーは、労働者の貢献を称える日として世界の多くの国で認められている。
ICSとITFがこの連帯の行為を呼びかけているのは、コロナ禍以前から、食料、燃料、医療機器などの重要物資の供給を毎日行っている陰のヒーロー、世界の160万人の船員たちの貢献を認識させるためだ。汽笛を鳴らすには、必要な手続きを行い、許可を求める必要がある。
ICSのガイ・プラッテン事務局長は、「船員は世界貿易を支える陰のヒーローだ。毎日、我々の生活に必要な物資の供給を続けている彼らの貢献を忘れてはならない。メーデーに港に停泊中の船が汽笛を鳴らすことは、船員のあらゆる貢献・犠牲を我々に思い起こさせるのに理想的な方法だ」と述べた。
ITFのスティーブ・コットン書記長は、「ITFはこの取り組みを歓迎する。世界規模の連帯の表明として、汽笛を鳴らすことを呼びかけているが、重要なのは、このコロナ禍において生活必需品が世界各地に届けられるのは船員の存在があってこそという認識を持つことだ。各国政府はこの取り組みを船員交代の円滑化や船員の自由な移動の確保のための施策の要請と受け止めるべきだ。この未曾有の危機において、サプライチェーンを継続させるためにはこれらが必要だ」
海運はグローバルサプライチェーンの重要な部分を担っている。しかし、船員の交代の問題が海上貿易の安全な遂行を脅かしている。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い各国で導入されている渡航制限により、船員の長い乗船期間がさらに延長されている。船員の安全と健康のために、現在の状況を際限なく続けることはできない。
ITFは4月7日にICSおよび国際航空運送協会(IATA)とそれぞれ共同声明を発表した。以降、各国政府に船員の自由な移動の確保を繰り返し要請してきた。
ITFと ICS は各国政府に以下を求めている。
- 船員の安全な移動と本国送還のために、限られた数の特定の空港を指定すること
- パンデミックが収束するまで、船員を重要な役務を提供する「キーワーカー」として認め、乗客や非重要業務の従事者に適用される渡航制限の適用を除外すること。
- 本件に関して緊急の対策を講じることで、サプライチェーンを継続させる意思を表明すること
ICSと ITFは、合法的な輸送業務に従事する労働者がキーワーカーとして認識されるのに役立つよう、船員の身分を証明するサンプルレターを作成した。船社は、船員の円滑な移動の促進を目的とするこのレターのテキストを自社のレターヘッドにコピーし、当該船員の個人情報を記入し、必要な医療検査の通過を条件に当該船員に手渡す。書簡には「この船員は自宅と船舶の間の自由な移動を許可されるべきであること、また、医療検査を通過していることを証明します」と記載されている。サンプルレターのダウンロードはこちら。
問合せ
ITF: media@itf.org.uk
ICS: ICS@woodrowcommunications.com
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