問題の多い運送・物流会社のXPOが米国のチームスター労組(IBT)と二つの協約を締結し、抑圧されている世界中のXPO労働者に希望をもたらした。
IBTの強力な運動と交渉がXPOとの協約締結を実現させた。マイアミ(米フロリダ州)のXPOロジスティクスの労働者がXPOとIBTの初の協約締結を承認した後、トレントン(米ニュージャージー州)の運転手がこれに続いた。
ITFのスティーブ・コットン書記長は次のようにコメントした。「協約締結は歴史的な出来事だ。ここ数年間、労働者を抑圧してきた会社が方針を転換したと見てとれる。XPOは自らをロジスティクスのリーディングカンパニーとして売り出しいるが、労働者の権利を日常的に侵害している。職場の安全や風土を是正しようとした労働者に罰則を与えたり、トラック運転手に何か月間も車中泊させたりしている。あからさまな労働法違反も多い。
ITFのXPO労組グローバルネットワークのメンバーであるチームスター労組は6年前から協約締結のために闘ってきた。一方、XPOは交渉を遅らせたり、労働法に違反する処遇を労働者に行ったりして、団結権や団体交渉権を侵害してきた。
このたび締結された協約には、雇用や退職の保護、「正当な」保護、苦情処理手続き等に関する規定が盛り込まれている。XPOは事業の半分を新会社GXOにスピンオフ(分離・独立)する予定であるが、協約には後継者に関する文言も含まれており、労働者は移籍後も引き続き保護されることとなる。音声による協約の解説はこちら.
IBTのジェームズ・P・ホッファ委員長は次のように語った。「米国のXPO労働者は初めて真の雇用保障を手にした。この勝利を皆で分かち合いたい。我々のグローバルな運動と努力が報われた。しかし、これは始まりにすぎない。XPOが同様の保護を世界の全ての労働者に与えることを期待する」
ITFは昨年10月、世界中のXPO労働者の搾取に焦点を当てた報告書「XPO Delivering Injustice(不正を運ぶXPO)」を発表し、賃金窃盗(違法な未払いおよび過小支払い)、搾取、ジェンダーや妊娠に関する差別、セクハラ、危険な労働慣行などが横行するXPOの企業風土を明るみにした。