6月14日22時40分(韓国時間)、韓国公共サービス交通運輸労組貨物トラック連帯部門 (KPTU-トラックソル)は国土交通省(MoLIT)と「セーフレート(安全運賃)」制の継続について合意した。
この合意によると、国土交通省は「セーフレート制の推進を継続し、貨物車種への適用拡大について協議する」ことを約束した。これを受け、KPTU-トラックソルは1週間前の6月7日に開始した全国ストを中止した。
KPTU-トラックソルは国土交通省に加え、3つの主要運送事業者団体とも、「セーフレート」の恒久化および全部門への適用拡大に必要な法改正の実現に向けて共に取り組むことを約束する合意書に調印した。さらに、国会で過半数の議席を占める「共に民主党」および少数政党の「正義党」とも同様の合意に達した。
ITFのスティーブン・コットン書記長は次のようにコメントした。
「これらの合意達成はすばらしい成果だ。運輸労働者の権利と道路の安全を保障するためにセーフレートがいかに重要であるかが主要なステークホルダー(利害関係者)の間で幅広く理解されたことを示している。韓国のトラック運転手は、より持続可能な運輸産業に政府および運送事業者を導くことに成功したが、同時に、韓国国民の間にセーフレートに対する幅広い理解と支持を築き上げることにも成功した」
12日夜、与党「国民の力」と荷主団体もKPTU-トラックソルと合意に達すると思われたが、土壇場で翻意し、セーフレート制の継続を約束することはなかった。
「臆病な与党と荷主団体の後退に失望している。セーフレートの恒久化と業界全体への適用拡大のために、KPTU-トラックソルや他のステークホルダーと協力するよう求める」とコットン書記長は続けた。
また、ストに参加した労働者が大勢逮捕されたり、スト中に他の権利侵害が発生したことに関して、法的措置を取る構えであることを強調した。
ITF路面運輸部会のフレミング・オーバーガード議長は次の通りコメントした。
「KPTU-トラックソルの組合員とストに参加したすべてのトラック運転手を賞賛する。韓国経済と世界経済に甚大な影響を及ぼした彼らの断固たる行動は、セーフレートを国際的な問題に押し上げるとともに、自国で同様の制度を勝ち取るために闘っている運輸労働者に勇気を与えた。ITFとすべてのITF加盟運輸労組は彼らのコミットメントと忍耐力に敬意を表する」
韓国のセーフレート制やその他の国の同様の制度は個人事業主の運転手に最低運賃を保証している。運転手が車両維持費を賄えるようにし、また、燃料費高騰を補填するための調整も行われる。セーフレートは、運転手に適正な収入を保証することで、事故の原因となる危険な運転行為の根絶に役立っているという調査結果も出ている。
添付資料: KPTU-トラックソルのプレスリリース(報道発表)
プレスリリース:韓国公共サービス交通運輸労組貨物トラック連帯部門 (KPTU-トラックソル)が5度目の交渉で国土交通省と合意
- KPTU-トラックソルと国土交通省はセーフレート(安全運賃)制を引き続き推進することで合意した。
KPTU-トラックソルは6月14日の20:00~22:40に国土交通省との第5回交渉に臨んだ。
参加者
国土交通省:ユン・ジンハン交通物流部長、グ・ヒョンサン物流政策部長、パク・ジンホン物流産業部長、チョ・テヨン「セーフレート」チームリーダー
KPTU-トラックソル:キム・テヨン第一副委員長、パク・ジェソク書記長、イ・グァンジェソウル京畿支部長、キム・ドンス大邱・慶尚北道支部長
KPTU-トラックソルは、国土交通省との第5回交渉で、「セーフレート(安全運賃)制を引き続き推進し、他の貨物車種への制度拡大について協議することを約束する」という文言で合意した。
また、職場復帰した組合員が報復されることがないよう要求し、国土交通省はこれに対して積極的な協力を約束した。
物流業界の正常化のため、国土交通省とKPTU-トラックソルが合意した内容は次の通り。
- 物流業界における今回の紛争を解決する緊急性を十分に考慮し、国土交通省とKPTU-トラックソルは以下の通り合意した。
- 国会内に当該機関が設置され次第、国土交通省が「セーフレート」制の実績を直ちに報告する。
- 国土交通省は引き続き「セーフレート」制(コンテナ、セメント)を推進するとともに、他の貨物車種への適用拡大を検討する。
- 燃料価格の高騰により、個人事業主のトラック運転手が苦境に陥っていることに十分配慮し、運転手の負担を緩和させるために燃料補助金の拡大を検討するとともに、運賃の適正化を達成するために、支援、協力する。
- KPTU-トラックソルは直ちに職場復帰する一方、国土交通省は労働者の職場復帰を支援するために最善を尽くす。
KPTU-トラックソルはサンセット条項の撤廃と「セーフレート」制の適用車種の拡大について、「共に民主党」および「正義党」から、それぞれ6月9日と10日に合意を取り付けた。また、国土交通省からは、「セーフレート」制の推進継続と、他の貨物車種への適用拡大について交渉を通じて協議するとの約束を得た。与党「国民の力」に対しては、トラックソルとの対話に応じるよう要請している。
さらに、運送事業者3団体(韓国貨物運送協会、韓国トラック協会、韓国総合物流協会)とも、サンセット条項の廃止、「セーフレート」制度の適用拡大、「セーフレート」の遵守、燃料価格の高騰昇に伴う適正賃金保証について合意に達した。16日に調印式が予定されている。
これにより、KPTU-トラックソルの組合員はストを終結させ、全国16カ所で職場復帰する。KPTU-トラックソルは政府と国会に対し、サンセット条項廃止法案を直ちに可決することで約束を果たすよう要求している。
スト中、KPTU-トラックソルは多数の市民団体や各国の労働組合から支援を受けてきた。KPTU-トラックソルは、「ストにより、国民の皆様に心配をおかけしたことをお詫びします。皆様のご支援に深く感謝しています」と表明した。