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#IWMD20: ITF、交運労働者の早期保護を要求

ニュース

コロナ禍およびコロナ禍復興期における労働者の保護に関するITF運営委員会声明

交通運輸労働者なくしてコロナ禍との闘いに勝つことはできない。交通運輸労働者はグローバル経済の活力源であり、コロナ禍がもたらす課題への対応に成功するために不可欠な存在だ。

列車運転士、船員、客室乗務員、タクシー運転手、清掃員、切符販売員、パイロット、港湾労働者、バス運転手、宅配員など、男女を問わないあらゆる交通運輸労働者こそが、コロナ禍にあっても、世界の交通運輸システムやサプライチェーンを維持するという不可欠なサービスを提供しているのだ。

コロナ禍の最前線で働き続け、地域社会が必要とする交通運輸サービスを提供し続ける中、世界中の何百人もの交通運輸労働者が新型コロナウイルス感染で命を落とし、また何千人もが感染に苦しんでいる。コロナ禍の最前線で働き続ける公共交通労働者の感染リスクは、安全衛生対策が不十分であることによって高まっている。とりわけ、女性は顧客と対面する業務や清掃業務に従事する割合が高く、男性に比べて不均衡に多くの女性がリスクを抱えている。

国際労働者記念日の今日、ITFは勤労中に命を落とした、あるいは負傷した全ての労働者に敬意を表したい。また、新型コロナウィルスが労働者とその家族のメンタルヘルスに多大な悪影響を及ぼしている事実を認識したい。職場で発生した事故で毎年命を落としている何百万人もの労働者に思いを馳せたい。

今こそ#IWMD20のテーマのもとに結集し、職場での感染を食い止め、交通運輸労働者がその重要な仕事を継続できるよう、適切な安全衛生基準を設置し、適切な個人用保護具(PPE)を支給することで、交通運輸労働者を守るべきだと各国の政府や企業に対して要求するべき時だ。

世界中でITFに加盟する組合員がいち早く保護されるよう、ITF全体が一丸となって運動を展開している。今週、ITFはコロナ禍から公共交通労働者を守るため、世界に向けた要求書を発表する予定だ。この要求書を利用し、各国の政府当局や企業の責任を問うつもりだ。同様に、全ての職場に共通する普遍的なプロトコル(手順)が設置されれば、港湾労組がこれを利用し、世界中の港湾労働者や港湾で働く全ての労働者を保護するために、グローバル・ネットワークターミナルオペレーターが取るべき措置を具体的に要求することができるだろう。

ITFはまた、加盟組合や国際海運会議所(ICS)やJNG(ITFの国際交渉相手の使用者グループ)といった社会的パートナー組織と協力し、10万人強の船員が船員交代をできずにいる状況の解決法を探っている。これは船員の心身の健康を守るためだけでなく、貴重な物資の輸送の安全確保のためでもある。労使協調のアプローチは他部門にも拡大し、ITFの路面運輸部会と国際路面運輸使用者協会(IRU)の協力、民間航空部会と国際航空運送協会(IATA)の協力、都市交通部門の公共交通国際連合(UITP )、国際地方自治体連合(UCLG )、国際鉄道連合(UIC)との協力なども進んでいる。こうすることで、ITFの世界中の組織人員の安全を守るために、ITFはILOやIMO、IATAとともに、政労使で説明責任を確保するという枠組みに基づき、活動を効果的に調整できる。

国際労働界とともに、ITFは世界中の職業安全衛生関係の組織に対して、新型コロナウィルス感染症を職業病に認定するよう運動している。そうすれば、可能な限り完全な形で労働者の保護措置を講じることに使用者が責任を負うことになるからだ。また、新型コロナウィルスに感染した労働者や、感染のために死亡した労働者に対する補償がなされるようになる。

使用者は職業上のリスクを最小に抑えるために、あらゆる防止・保護策を確実に取る責任を負っている。使用者は労働者による費用負担なく、適切な防護服や防護具を支給し、厳格なソーシャル・ディスタンシング対策、衛生対策、感染検査のための手続き、感染した労働者の感染経路確認のための方策を講じる責任がある。こうした責任は顧客企業や「経済的使用者」も直接負うべきもので、彼らもまた、自社のサプライチェーンに関わる労働者に確実に適切な個人用防護具が支給され、労働者やその家族、地域社会への感染拡大リスクを低減するための手続きが設置されるよう担保しなくてはならない。

ITFは引き続き、非標準的な雇用形態の労働者やサプライチェーンに従事する労働者を含む、世界中の全ての交通運輸労働者が、個人用防護具、安全な労働条件、感染リスクを最小限に抑えるための措置を得られるように闘い続ける。また、今現在、新型コロナウィルスのために失業したり、不完全雇用に処せられている何千人もの労働者の所得が補償されるよう闘っていく。

また、全ての交通運輸労働者にITFに加入するよう呼びかけたい。ITFに加入して、職場で、業界で、政府に対して、声を上げよう。全ての交通運輸労働者のために声を上げよう。

コロナ禍によって、コロナ前に戻ることは不可能であることを世界中の人々が痛感している。雇用と所得の保障、サプライチェーンの説明責任面の改善がなされるべきだ。不安定雇用と賃金ダンピングは低減されるべきだ。社会の底辺にいる人々の感じる不平等感に対処しなくてはならない。労働者の権利が奪回されなくてはならない。あらゆる分野において、女性と青年が原動力となるべきだ。こうした立場は既に、交通運輸労組が常に主張し続けてきたものだ。

交通運輸労働者はこれまで何十年も意図的に攻撃を受け、弱体化させられ、無視されてきた。新型コロナのパンデミックにより、交通運輸労働者が実体経済に果たす重要な役割が浮き彫りになった。また、コロナ禍から復興し、世界経済を再構築する上でも交通運輸労働者が重要であることが判明した。このコロナ禍にあっても、万人の共通の繁栄とディーセントワーク(適切な人間らしい仕事)を実現できる、より持続可能な経済へと生まれ変われる機会が存在する。そうした機会が開かれている今こそ、ITFが組織化を進める時だ。

現場の声

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2 月 19 日、国境を越えて働くトラック運転手 120 人がウガンダ運輸一般労組( ATGWU )に加入し、トラック部門の組織人員が約 650 人まで増加した。 ITF のスティーブ・コットン書記長は、「ウガンダの運転手は国境を越えて数の力を構築している」と述べる。 「 ATGWU に加入したことで、彼らは非正規雇用、長時間労働、低賃金、国境通過時の煩雑な手続き、職場の暴力や嫌がらせ
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