中国の労働組合との協力関係を強化し、理解を深めるため、スティーブ・コットン書記長率いるITF代表団が今週、中国を訪問した。
ITF代表団はアジア太平洋地域のITF執行委員から成り、「中華全国総工会(ACFTU)との戦略的関係を前進させよ」との命をITF執行委員会から受け、派遣された。
今回の訪問の一環として、ITFとACFTUが以前のものよりも文言がさらに強化された覚書 (MoU)に調印した。なお、この覚書により、
- 二組織間の協力関係が定義づけられ、
- 今後の関わりの条件が規定され、
- 今後協力していける可能性のある分野が選定された。
スティーブ・コットン書記長は、今回の代表団派遣について次のように述べた。
「文言を改善した覚書では、中国の交通インフラへの投資が前例なく大きくなり、そのことが世界中の交通運輸労働者にますます影響を与えるようになっている点と、ITF加盟組合が組織する労働者が世界各地で中国企業に対応する機会が増えている点が認識されている」
「ITFの役割は、中国企業のプロジェクトが計画される交渉のテーブルに着き、労働者の代理で発言していくことだ。ITFとACFTUは、持続可能な交通運輸、海運、高速鉄道、航空、交通運輸分野における一帯一路構想などの問題について協力していく。今回文言が強化された覚書が、交通運輸労働者に発言権を与えるなど、具体的な結果をもたらすことを期待している」
住野敏彦・ITFアジア太平洋地域代表副会長は次のようにコメントした。「中国企業とそのパートナー企業が多額の海外投資を行っていることを考慮すると、中国との関係づくりはアジア太平洋地域にとって極めて重要だ。今回、文言を強化した覚書を締結することにより、ACFTU とより良い関係を築き、アジアや世界中の交通運輸労働者に中国が及ぼす影響をより深く理解することができるようになる」
ITFとACFTUの両組織は、ハイレベル協議、職場視察、ワークショップ、トレーニングセミナー、学術交流などを通じ、協力を促進していくことに合意した。
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