時価総額数十億ドル規模のFedEx-TNTが欧州で6,000人を解雇する計画を1月に発表したことを受け、労働者はショックにおののいている。同社の利益を記録的レベルに押し上げたのは正にその労働者なのだ。
欧州運輸労連(ETF)のリビア・スペラ書記長は本日、FedEx-TNTはコロナ禍で世界の物流を動かし続けてきた労働者に感謝するどころか、背を向けたのだと語った。
「FedEx労働者は会社の純利益を3倍に押し上げあることに貢献した。労働者は自分自身と家族を毎日、コロナ感染の危険にさらしながら、サプライチェーンの繋がりを維持してきた。ETFは貪欲な企業の無規制な行動を許容しない。労働者は尊厳と尊敬に値する」とスペラは述べた。
この発表を受け、ETFや国際運輸労連(ITF)を含む世界中の交通運輸労働者の声が高まり、FedEx-TNT欧州の経営陣に人員削減を止め、労働者代表と対話することを求める請願書の署名活動が開始した。
「会社は2016年に買収したTNTネットワークとの統合プロセスの一環として今回の解雇計画を発表しているが、FedEx-TNTの労働者と労働組合に言わせれば、eコマースが活況に沸いていることから見ても、今回の解雇計画には根拠がなく、嘆かわしい」と ITFのスティーブ・コットン書記長は語る。
「コロナ禍を通じ、FedEx-TNTの配達・ロジスティクス労働者は、過酷な条件のもと、家庭や病院、商店に必需品を配達すべく、働き続けてきた。企業から欧州の労働者がこのような酷い扱いを受けることを手をこまねいて見ていることなどできない」とコットン書記長。
FedExの労働者もまた、会社から受けた「謂れのない」扱いについて公に語り出している。
「会社から矢継ぎ早に電話やメールが来るし、絶えず残業を求められる。2020年11月以降、仕事量が激増した。土曜も働いている。そんな中での解雇計画の発表は、誰もがあり得ないことだと思っている。自分の部署や他の部署でも、余剰人員がいるとは到底思えない」とイタリアで働くTNT労働者は語った。
「FedExによる労働者の処遇は信じがたく、悲しくもある。私たちは切り捨てられようとしている。TNTの買収以来、FedExが極めて好調であり、株価も上昇、多額の収益を上げていると会社が発表しているだけに、なおのこと信じがたい」とドイツのあるTNT労働者も述べた。
今日、ITFとETFは、欧州では欲深い企業は歓迎されないということをFedExに示し、数千人の解雇計画を止めるよう、世界中の市民と交通運輸労働者に求める。ここから請願書に署名しよう。