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合同声明でタイ政府にILO第188号条約批准を訴える

ニュース 記者発表資料 21 Sep 2018

国際運輸労連(ITF)、国際労働組合総連合(ITUC)、アメリカ労働総同盟・産業別労働組合会議(AFLCIO)、タイ労働連帯委員会(TLSC)、国営企業労働連盟(SERC)、漁船員の権利ネットワーク(FRN)が合同声明を発表し、タイ政府にILO188号条約を批准するよう訴えた。

タイ漁船で働くカンボジアやミャンマー出身の移民労働者が、人権や労働者の権利を侵害されたり、違法・無報告・無規制(IUU)漁業に従事させらりたりすることは珍しくない。 

タイ政府がILO188号条約に批准すれば、IUU漁船の操業者や悪徳船主に対して、搾取的で持続不可能な違法漁業は許されず、国籍にかかわらず全ての漁船員の権利が保護されなければならないという強いメッセージを発信することができる。 

また、EUのタイ水産物輸入禁止措置の解除に必要な改革をタイ政府が実施していることをEUや国際社会に示すこともできる。 

一方、結社の自由と団体交渉に関するILO87号条約および第98号条約についても、批准に向けて、さらなら対策が取られるべきだ。全ての労働者は、出身地や在留資格にかかわらず、組合を結成し、団体交渉を行う権利を保障されるべきである。組合を結成する権利は、水産職場でディーセントな労働条件を確保、促進するためには、不可欠な存在である。 

タイユニオン等の水産大手は、タイのサプライチェーンを通じて、188号条約に見合った改革を既に実施し始めている。タイ政府は、188号条約をしっかりと実施することで、タイの水産物が国際基準を満たす労働基準に基づいて倫理的に供給されていることを国際社会や市場に示すことができる。 

英国の小売業者は最近、タイのサプライヤーとの取引の条件として、移民労働者が組合を結成できるようにタイの労働法を改正することや、強制労働条約(第29号)の2014年の議定書を厳格に実施することを挙げた。タイ政府が最近、強制労働法の制定を通じて水産労働者の搾取を一掃しようとしている点は評価できる。しかし、同法の厳格かつ効果的な実施は大きな課題となっている。 

188号条約の批准・実施に加え、以下も求められる。 

  • 借金のかたによる労働を廃止する-パスポート、ピンクカード、就労許可書、エージェント、斡旋手数料等の問題
  • 漁船員の最低賃金を月額1万2千バーツに増額する
  • 全ての漁船員の賃金を毎月払いとし、預金通帳、ATMカード、暗証番号は(船主や船長ではなく)漁船員本人が管理する
  • 全ての漁船員に母国語による雇用契約書を書面で渡すことを義務付ける法律の履行・監視を確保する
  • 全ての漁船員が救急研修を受け、船内の医療用具一式を利用できるようにする
  • 全ての漁船に救急医療体制を整える
  • タイ領海内で操業する全船舶に「船舶行動規範」を設置する
  • 移民労働者が組合を結成し、活発に組合活動を行うことができるよう、タイの労働法を改正する

国際運輸労連(ITF)は、世界140カ国、670組合、1,970万人の労働者を代表する、労働組合の国際的な連合体である。 

漁船員の権利ネットワーク(FRN)は、タイで唯一の独立的な漁船員組合である。ITFは、アジア太平洋地域のプロジェクトの一環として、FRNの活動を支援している。 

国営企業労働連盟(SERC)は、国際労働組合総連合(ITUC)に加盟するタイのナショナルセンターで、国営企業や民間企業の47組合、18万人の労働者を代表している。 

タイ労働連帯委員会(TLSC)は、国営企業や民間企業の労働組合、労働関連NGO、労働専門家のネットワークである。 

アメリカ労働総同盟・産業別労働組合会議(AFLCIO)は、米国内外の55組合、1,250万人を代表する民主的・自主的な連合組織である。 

国際労働組合総連合(ITUC)は、世界163の国・地域の331の労働組合組織、2億700万人を代表する国際的な労働組合組織である。 

END 

問い合わせ: 

国営企業労働連盟(SERC) hailandserc@gmail.com  Tel:+662537-8973 (英語またはタイ語)  

ルーク・メンジーズ・アジア太平洋地域事務所コミュニケーション主任  menzies_luke@itf.org.ukTel:+61 02 9265 8453 (英語

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