世界の労働者2億人以上を代表する10の国際労働組合組織は、ミャンマーの軍事政権の商業的利益を標的にするよう各国政府・企業に圧力をかけることを各国の労働組合に要請している。
我々はミャンマー国民に連帯し、クーデターを起こしたミン・アウン・フライン最高司令官をはじめとする軍指導部を孤立させるよう、世界中の労働組合と労働者に呼びかける。
労働者の利益に反する権力に立ち向かうという、グローバル・ユニオン(訳注:国際産別労働組合組織、国際労働組合総連合、OECD労働組合諮問委員会のパートナーシップ)の方針に基づき、我々、国際労働組合運動は、本日、以下を要請する。
- クーデターを主導したミャンマー国軍指導者に制裁を課すよう国連安全保障理事会に要請する。制裁は軍に資金を提供する経済資本も対象としなければならない。
- ミャンマーに対する武器禁輸を国連安全保障理事会に要請する。
- ミャンマーに対する、「武器以外の全て(EBA)」の品目への特恵関税の廃止をEUに要請する。
- ミャンマーで活動する外国企業に対して、ミャンマー国軍が所有するビジネスとの直接的・間接的な取引関係または金銭的関係(詳細はミャンマー国軍の経済的利益に関する国連人権理事会の報告書に記載)を中止し、被拘禁者の解放、民主主義制度の回復、全てのミャンマー人労働者の人権および労働基本権の保障のために自らの影響力を行使することを要請する。これには、ビジネス縮小の影響を受ける労働者に対する支援やクーデターに反対する労働者の保護も含まれる。
我々は世界各国の加盟組織に対して、上記を支援するとともに、以下を行うことを要請する。
- ミャンマー国軍に対して、非常事態宣言の解除、全ての政治犯と活動家の即時釈放、ミャンマー国民が指導者を選ぶ権利の擁護、表現の自由や結社の自由に対する制限の廃止を要求するよう、自国政府に圧力をかける。
- ミャンマーと関係を有し、ミャンマーで活動あるいは投資する全ての企業に対して、ミャンマー国軍との商業的関係を断ち、被拘禁者の解放、民主主義制度の回復、全てのミャンマー人労働者の人権および労働基本権の保障のために自らの影響力を行使することを要請する。これには、ビジネス縮小の影響を受ける労働者に対する支援やクーデターに反対する労働者の保護も含まれる。
国際労働組合総連合(ITUC)のシャラン・バロウ書記長は次のようにコメントした。
「ミャンマー国軍による政権掌握に愕然としている。クーデターを成功させないために全力を尽くす」
「国軍が国の基本原則を書き換えようとするという、ミャンマー国民にとって非常に不穏な事態が生じている。我々はミャンマー国民に連帯するとともに、脆弱な民主主義を守るために行動し、軍の政権掌握に抵抗する勇敢な労働者に敬意を表する。国際労働組合運動は、拘束されている全ての人々を解放させ、暴力やハラスメントに終止符を打たせるために闘う。クーデターの首謀者を孤立させなければならない」
ITFのスティーブ・コットン書記長は、国際労働組合運動は今こそ、クーデターやインターネットの遮断に全国で抗議するミャンマーの労働者に連帯すべきだとし、次のように語った。
「拘束されている全ての人々の無条件解放、非常事態宣言の解除、民政回復が実現するまで、軍事政権に制裁を課し、孤立させるために、我々は一致団結して、国連安保理や各国政府に圧力をかけなければならない」
この共同声明に署名した国際労働組合組織