ブラジル大統領選で、ルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ氏が6,000万票以上を獲得し、当選した。2023年1月1日に大統領に就任し、通算三期目を務める。
ルラ氏は勝利のスピーチで次のように語った。「我々は平和と愛と希望に満ちた新しい時代を生きていくこととなる」「私は生き埋めにされるところだった・・・しかし今、私はこの国を治めるためにここにいる-非常に困難な状況にあるが、国民の力を借りながら、道を開き、平和を取り戻してみせる」
ルラ氏は三十数年間、ブラジル政界の中心人物だった。1970年代にサンパウロの鉄鋼労組委員長として、軍事独裁政権下で歴史的なストライキを主導した。他の組合活動家、知識人、政治家とともに労働者党を設立する上でも重要な役割を果たした。
初の労働者階級出身の大統領として、2003年から2010年まで二期を務めた後、汚職で告発され有罪判決を受けた。そして今、歴史的な返り咲きを果たした。2021年3月の最高裁判決でルラ氏の有罪が取り消され、2022年の大統領選出馬への道が開かれた。
選挙期間中、ルラ氏は労働者の権利を回復し、組合による団体交渉や利益代表を強化し、非公式労働者やギグエコノミー労働者に特別な注意を払う、官労使の交渉に基づく新労働法制を採用する意向を表明した。
ルラ氏の運動を支え、ブラジルの交通運輸労働者の権利や我々の運動の中核をなす民主的な価値観を擁護し続けたブラジルのITF加盟組合に祝意を表する。
ITFのパディ・クラムリン会長は次のように述べた。「世界中の労働組合がルラの勝利を祝うことだろう。ボルソナロの極右・ポピュリスト政策で激しく分断された国家を再建、再統一するために、ITFはルラの支持者やブラジルの労働運動の仲間たちと連帯する。ルラは、3300万人が飢餓に直面し、1億人以上が貧困生活を強いられている問題を緩和させることが最優先課題だと述べている。新政権は、社会的、環境的、経済的正義を回復し、欲ではなく平等を軸とした経済を構築し、数千万人の生活を向上させるだろう」
ITFのスティーブ・コットン書記長は次のように語った。「今日、ブラジルは新たな章を迎えた。国の基盤を崩壊させた分裂・分断からの立ち直りを目指すルラのリーダーシップに期待する。加盟組合とともに、より平等で持続可能なブラジルの未来を築き、ブラジルだけでなく、地域全体の交通運輸労働者の権利向上を実現させることを楽しみにしている」
ITFのエドガー・ディアス中南米地域部長は次のようにコメントした。「ルラの勝利を祝す。ルラが大統領に返り咲いたことで、ブラジルだけでなく、地域全体の労働者に恩恵が及ぶことを確信している。新政権は困難な仕事に取り組むこととなるだろうが、ブラジルおよび地域全体の労働者の権利の維持・拡大に務めるITF、ITF加盟組合、そして 国際労働組合運動は、長年にわたる新自由主義 的な攻撃の後、再び勢いを取り戻すことを確信している」