国際運輸労連(ITF)は、米国の第46代大統領および副大統領として、ジョー・バイデン氏とカマラ・ハリス氏が歴史的勝利を収めたことを歓迎している。両名の勝利は何百万人という米国の労働者に希望を与えるからだ。
ITFは、バイデン次期大統領とハリス次期副大統領が労働組合や労働運動と協力して選挙公約を果たし、米国で拡大する経済格差や人種間格差を埋めてくれると期待している。
「労働者がバイデンとハリスを当選させたのだから、労働者に見返りがあってしかるべきだ。ITFは、ディーセントな(人間らしい)雇用と雇用保障を復活させ、 団体交渉とスト権利を強化し、 反組合行動を取ったり、賃金を労働者から盗むような企業の責任を問い、年金改革を確実に行うとした、両名の選挙公約の実現を楽しみにし、強く期待もしている」とITFのスティーブン・コットン書記長は述べている。
「所得格差問題、例えば、ギグエコノミー企業や、労働者の尊厳よりも利益を優先する企業が、労働者を請負業者と誤分類し、労働者の権利を侵害している現実に直ちに対応することが極めて重要だ」とコットン書記長は語る。
パディ・クラムリンITF会長は、ITFはバイデンやハリスが米国の労働者を守るためにコロナ禍により先手を打った対応をしてくれると期待していると述べた。
「新型コロナウィルス感染症に対して両名がきちんとした計画に基づく対応を取ることは、米国の地域社会の安全、とりわけ、最前線で働く交通運輸労働者とその家族を安全に保つために重要となるだろう。政策を策定し、それを迅速に米国の家族を貧困から守り、衣食住に不足がないように経済的支援を提供するための具体的な行動に移さなくてはならない。コロナ禍により、米国が依然として全ての国民を対象とした平等かつ良質の医療と教育の樹立に取り組む必要があることが浮き彫りになった」とクラムリン会長は語る。
クラムリン会長はまた、多国間主義を強化し、働く者にとって最も重要な問題について、外国との協力を復活させるとバイデン-ハリス政権が約束していることも、ITFは歓迎していると述べた。
「バイデン-ハリス政権は、今、最も必要とされている多国間主義と国際安全保障、国際関係を強化してくれるだろう。バイデン次期大統領が世界保健機関(WHO)に再加盟することを約束していることにより、新型コロナウィルス感染症との闘いで米国のリーダーシップが復活する。また、パリ協定にも復帰するというバイデン氏の誓約は、歴史的な転換点となり、現在、消耗しきった他の米国の政策と同様に、気候変動に関しても、国際的行動を後押しすることになるだろう。米国からのこうしたリーダーシップは様々な国際紛争に平和をもたらし、様々な危機を安定させる上で、今、直ちに必要とされている。
ITFは、世界のITFファミリーに属する2,000万人の交通運輸労働者を代表して、初のアフリカ系アメリカ人副大統領となるハリス氏が、米国の内外において、指導的地位により多くの女性をはじめとする多様性をもたらしてくれることを祝福したい。
労働者および労働組合員として、私たちは、これからも、正義と平和、経済と政治の安定、社会的および人種的正義を勝ち取るために続いている闘いにおいて、勇気と人間らしさをもちながら、様々な組織と協力し続けていく。ITFは、ITFが組織する世界の全ての労働者、その家族と地域社会を代表して、次期大統領と次期副大統領のリーダーシップに期待したい」とクラムリン会長は締めくくった。