「一人に対する攻撃は全員に対する攻撃だ」労働組合運動のこの昔ながらのスローガンが戦時下のウクライナで文字通りの威力を発揮している。ITFと欧州運輸労連(ETF)はここ2週間、欧州の組合とウクライナの組合の連帯の橋渡しを行い、ウクライナ西部に避難を強いられている鉄道労働者にマットと寝具類約1,000セットを届けてきた。
3月25日(金)から4月4日(月)にかけて、マット、毛布、枕、シーツをウクライナとの国境近くのポーランドのプシェミシル駅で列車に積み込み、ウクライナ西部のリビウに輸送した。ウクライナの鉄道組合員とその家族に届けるためだ。この取り組みは、ITFに加盟するポーランドの鉄道労組と路面運輸労組の卓越した調整によって実現した。ポーランドからウクライナ西部へウクライナの旅客列車で支援物資を運送するこの重要な連帯行動は、スウェーデンのITF加盟SEKOや連帯支援組織「ユニオン・トゥー・ユニオン」も支援している。
リビウに到着した支援物資は、ウクライナのITF加盟鉄道労組によって組合員に配付された。紛争発生以来、ウクライナの鉄道組合員は全国で列車を運行し続けている。自らの命の危険を顧みず、勇敢に、休むことなく働き続ける彼らは、ウクライナの何百万人もの避難民を主にポーランドのプシェミシル駅まで輸送し、往路の列車で人道支援物資をウクライナに届けている。戦争開始以降、旅客列車で輸送された人道支援物資は7,500トンに及ぶ。主な輸送先はキーウ、ハルキウ、ザポリージャ、オデッサだ。
ITFとETFの合同チームはプシェミシル駅に出向き、この緊急支援プロジェクトの最終段階を調整した。
ITFのノエル・コード内陸運輸部長のコメント
あらゆる連帯行動が、ウクライナの人々が置かれている悲劇的な状況によって力を増している。ウクライナの労働者 - 車掌であれ、清掃員であれ、整備士であれ- は自らの命と家族の命を危険にさらしながらも、支援を切望している人々を助けるために、ウクライナの鉄道を動かし続けている。一般の人々のこの勇敢な行為は、連帯の真の意義を我々に教えてくれる
ETFのジョセフ・モーラー運営・中東欧・平等部長のコメント
国内避難民となっているウクライナの鉄道労働者が切望する物資を供給するこの連帯行動を支援、調整できたことを誇りに思う。ウクライナへの連帯は、労働組合運動のモットー「一人に対する攻撃は全員に対する攻撃」が正に当てはまるケースだ。この戦争は、戦時下の労働者を支援し、平和を促進するために、労働組合運動としてできる限りのことをしなければならないことを思い起こさせた。